ここ数日のハナシでは無いが、久々に横浜市郊外をクルマで流してみた。
当日は日産スタヂアムで何かあったらしく、結構なクルマが出ていて流れが少々滞っていたが、それでも広々とした三車線で周りの景色を眺めながらゆっくりと走っていたのだが、信号が赤になりボンヤリと周りのクルマを見ていて、斜め前のアクシオに目が行ってしまった。
現行ヴィッツ以降の、ショルダーラインが大きく「弧」を描く最近のトヨタデザインなんだが、フロントからその「弧」を目で追ってCピラーに来た時、有る事に気付いた。
Cピラーの面の中に、微妙なキャラクターラインが入っているのだ。
Cピラーの造詣で、グリーンハウスの絞込みを強調させて躍動感を出すためにショルダーとの区切りで一本折れ線を入れる・・・そうブルーバードで言えばU12辺りの造詣や、リヤスクリーンとの繋がりを強調するためにCピラーのアウトライン辺りに上下に折れ線を入れる手法はたくさんあるが、面そのものの中に複雑な線を入れる手法は意外に珍しい手法だ。
普通ならゴチャゴチャしそうなモンだが、それがそうならないところが最近のトヨタデザインの恐ろしいところだ。
そんな様子を並走しながら眺めていると、ついつい第三京浜に入るレーンに押し込まれてしまい、とうとうゲートをくぐるハメになってしまった。
入っていきなり第二レーンに、第三京浜で超有名な覆面が公務に励んでいた。
ここの覆面は、最近の他所の覆面とは違いリヤにスモークなんて無く、不自然なダブリュのルームミラーに、ヘルメット着用の胡散臭い男の二人乗りが丸見えで、もちろん旧態依然のTVアンテナに模したリヤスクリーンのロッドアンテナもしっかりと覆面をアッピールしている。。。
とりあえず、ひと区間の走行をし、ゲートを抜けるとすぐさま信号と相成ったのだが、他県ナンバーのプリウスが止まっていた。
最初にアクシオを見たせいもあろうが、プリウスのデザインはシルエットでみたら、なかなか面白いのだが、実物は特にサイドの面が単調この上なく印象に残らないデザイン・・・いや、これまでのトヨタらしいデザインになっている。
これは、おそらく三代目のソアラで確立!?した、ビニール袋石膏デザインのひとつなんだろうが、ビニール袋に石膏を流し込み、袋口を閉じると、そのまま机の上に置く、石膏が固まると、まるで粘土を球体に丸めて、それを伸ばしたような芋虫形の塊が出来る。
それの前後をスパンスパンと切り落とすと、クルマの形に・・という具合だ。
石膏の固さやビニール袋への石膏の投入量を調整すれば、扁平な形から食パン型の固まりまで自由自在という算段だ。
しかし、なめらかで自然の流れに任した「流面形」や「なだらかな面」はできるが、面としての変化に乏しい形になってしまう。
トヨタもそこは気にしているらしく、サイドの面にやたらと、これまでは線や凸凹を付けたがっていたのだが、そう先代のアルファードなんて、大げさなプレスラインを刻んでハッタリを効かせていますよね。
それがプリウスには、何も無く上から下まで、ただ滑らかなので変化に乏しくツマラナイデザインになってしまっているのだと僕は常々感じているのだ。
昔からトヨタのデザインは、側面の表現は下手で、プレスラインや凹凸に頼ったデザインが横行していた。
ちょっと極端だが、二代目のコルサとかターセルなんて、3ドアの基本的なディテールは、FFファミリアの大ヒットに慌てて作り出した、ファミリアコピーそのものなんだが、少しでも違いを出そうと、リヤ辺りに妙なプレスラインを入れてたのだが、基本的な側面の面構成が、ただの平面だから、今から見れば、恐ろしく単調で古臭いデザインにしか見えないもんだ。
そんな単調トヨタデザインが、現行ヴィッツ辺りから側面の面構成と、前後のショルダーラインのウエーブが絡み合ってなかなか見応えのあるデザインに変わって来ており、デザインの個性と言う点でもトヨタは光を放つようになってきたと思う。
まぁ不幸にしてレクサスは、その流れでは無いが、これからのトヨタ車のデザインの流れはなかなか注目度が高いと思えてならないのだ。
ただ・・・クラウンのハイブリットに見られるようなセンスの欠片も無いテールの処理など、まだまだ悩ましい例もあるが、他所のメーカーもウカウカはしていられない状況には変わり無いと感じている。
波に乗ると・・・まさに今のトヨタは、そうなのかもしれない・・と、アクシオを見て感じた次第なのだ。。
Posted at 2008/08/25 01:50:12 | |
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