昭和40年代~60年代前半までは、高いクルマや、それこそサニーやブルーバード辺りにまで、ルーフに合成皮革やビニールを貼りつける 「レザートップ」 が当然の様に用意されていた。
まぁ、この 「レザートップ」 というのは、馬車などの幌を上げた状態、コンバーチブルの幌を上げた状態を模したモノで、亜米利加車に多く見られた手法であった。
1968年ころの 「Dodge Charger」 のレザー・トップ。威風堂々としていてフルサイズ・アメ車の代表格だ。
それが日本車の世界にも広がって、高級車を中心に設定があったのだが、正直耐候性の悪さ、レザー表面に施された「シボ」に汚れが入ったら、取り難いという事もあって、廃れてしまったボディタイプだ。
そんな、耐候性や手入れの大変な 「レザー・トップ」 でも、ニーズがあれば作らなければならない…言う代表格が、カーマニアの間でも、ちょくちょく話題になる 「ケンメリ」 こと、C110 スカイライン、それも ハードトップ のレザー・トップは、何もそこまでしなくても・・・・というくらい違和感があったモノだ。
(TOP 画像に、ルーフから撮影したカタログの画像があるが、そんな一部分の切り取り画像でも違和感がある事がよく分かるだろう。)
メーカーがリリースした車両で、大々的にレザートップである事を宣伝し、標準で採用したのが、おそらく 1977年の コスモL で、(クラウンの6代目の2DR HT が年代的に新しいが、オプションだった。)
「L」は、ランドゥトップの頭文字の「L」から来ている。
コスモ L のLは「ランドゥトップ」の頭文字から命名されたのだが、もともと、ランドゥトップとは、運転席が通常の屋根で、ボディ後半がオープンの形状である landaulet (ランドーレット) から派生した、固定式なんだけど、見た目は ランドーレット の屋根を閉めた形という意味合いの言葉だ。
欧州の高級車に多い、特注の「ランドーレット」。現在も首長向けの特装車として造り続けられている。
この コスモL は、ファーストバックの標準車に比べ、後席の頭上空間が高く居住性が良かった記憶がある。
馬車から進化していったクルマ。
進化するに従って、回顧指向と言うか、レトロな風合いを求めるのは今も昔も変わりないようなんだが、流石に、前記の理由で、「レザー・トップ」 は廃れてしまったのだった。
「レザー・トップ」 。もう何年かすると、そのボディ形状すら知らない世代ばかりになって、完全に忘れ去られてしまうボディ形状なのかもしれない。
Posted at 2013/10/27 14:42:09 | |
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