何だかんだと話題の新しいマーチ。
まぁ、正直言って、「タイ製」という事ばかりが前面に出て、それが、まるで重箱のスミを突付くかのごとく、デザインがどうの、作りこみがどうの・・と毛嫌いの対象になってしまっている気がしてならない。
「食べず嫌い」は、如何なものかと思うが、エントリーカーとして装備や作り込み、見栄えがどうあるべきかが明確化されておらず、それもマーチの酷評に繋がっているように思うのだ。
さらに、天邪鬼の様な論拠だが、K13はエントリーカーでありながら、装備と価格とのバランスを考えると、まだ高過ぎるような気がする。
それらを考えると、新しいスイフトの方が、あの装備であの価格という感じがして、割安感を感じてしまうのは僕だけだろうか?
そしてとどめは、エクステリアデザインで、確かに王道なんだが、それが何処でもあるデザインになってしまった事も、この芳しくも無い評価の「後押し」をしているのかもしれない。。。
デザインと言えば、初代からマーチは、ある意味でデザインにモノを言わせて来たクルマだった。
初代マーチは、メーカーはハッキリ言わないが、間違いなく「ジョルジェット・ジュージアロ」の作品だ。元日産自動車のデザイン主管であった「前澤義雄 氏」が某書で、こんな事を語っている。
「初代マーチのデザインに関わる裏話がある。マーチの開発計画が決る前後に(KX計画のことか !? 謎)、たまたま日産を訪問していたジウジアローさんを宴席に招いた当時の日産の社長が(石原氏 !? )意気投合したらしく、マーチのデザインを頼んでしまったらしく(中略)
内緒で自前のデザインも進めておけと指示されジウジアローとの競作となった。(中略)
イタリアからモデルが送られて来るに及び、ヤミ案を知った上層部から「予定に無い案を並べられたりして混乱を起すな」という事でフタをされてしまった。
という証言からも、明らかに初代マーチは、「ジョルジェット・ジュージアロ」の作品である事は間違いないと現代では考えられている。
しかし、オリヂナルのデザインとは、正直、初代マーチはかけ離れている事も事実で、ここで「ジョルジェット・ジュージアロ」が頑として、自分のデザインでは無いと言い張る要因では無いかとも言われている。
つまりは
生産性・コストの絡みで、外寸やデザインが整理され、オリヂナルとは大幅にデザインが異なった事で、自分のデザインだとは認めなくなった。
というハナシが各所で聞かれる事になったのだ。
しかし、ここ数年、メーカーに関わる方面などから、こんなハナシも聞かれるようになった。
ジョルジェット・ジュージアロ氏が、日産から、デザインを外注した事を口外しないようにと契約で釘を刺されてしまった。
まぁ真相は闇の中なんだが、そうした証言以外にも、ジョルジェット・ジュージアロ氏がデザインしたクルマ達を並べると、初代マーチのデザインのあり様も分って来るという物だ。
それを証明したくて並べたのがTOP画像なんだが、実は初代マーチのオリヂナル・デザインに最も近いデザインが、フィアット「ティーポ」だと言われている。
フロントからBピラーまでの造詣は、間違いなくマーチのそれで、Bピラーから後半が、コンパクトカーに拘った日産との意思の疎通が・・・という噂話の根源になっているのも肯ける。
たしかに、「ティーポ」以外の氏の作品を眺めてみると、ウエッヂの聞いたサイドラインと、Aピラーからボンネットへ続くなだらかな面の構成は、どれも一致するが、Bピラー以降の、特にサイドウィンドゥ上面の長さがマーチの場合、若干だが寸足らずの構成となっている。
寸足らずなのだが、リヤハッチの傾斜角度は、どれも似たり寄ったりで、より一層マーチの寸足らず感を助長してしまっていると感じるのは僕だけだろうか?
そんな初代マーチだが、もともとのデザインが良いのだろう。
確かに、細かい事を言えば、幅に対する高さの比率などあるが、実にシンプルでありながら、それが「安っぽさ」に繋がらないのはさすがと言うか。。。。
どんどん、K10マーチはデザインや機能などの改良を進めながら、現在のマーチたるデザインのオリジナリティと個性の元になったK11マーチの登場を向かえることになった。
そして、さらにデザインコンシャスに邁進したK12と進化して、K13の登場となるのだが・・・・K10も含めて、一目で「マーチ」だと分る展開をしていたデザインも、前出の通りK13では、随分と保守的になったと感じたのだが、よく見てみると、なるほどと・・・・
K13のデザインで、甘いも酸いもと何を感じたかは、また次回。
Posted at 2010/09/07 03:17:27 | |
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