今でさえ、タイアなんて純正でも良いモノが勝手についてくる時代になったが、僕がクルマに本格的に乗り始めた当時は、ラヂアルタイアと言うだけで憧れたものだ。
なんたってアルミホイールだって、純正以外は車検でNGと言う時代。タイアだって基本的には純正装着以外の幅でNG、しかも純正がバイアスだとラヂアルと言うだけでもダメだった時代だったのだ。
そんな中、1970年代中盤からは、ラヂアルタイアが当たり前になってきて、その頃になったら、銘柄にも拘りが出て来るようになった。
もちろんの事、国産タイアのメーカーも頑張っていたが、そこは舶来品が幅を利かせていた時代、クルマのメーカーもそこは心得ていて、ミシュラン、それも 「XVS」 をスポーティモデルに装着するパターンが多くなった。
当時欧州での ミシュラン XVS のポスター。非対称パターンが良く分かるアングルだ。
当時の国産ラヂアルタイアでは、メーカー毎の明確な違いが見出されなくて、ようやくBSがサイドウォールの硬さを部位によって変化させた 「SF構造 スーパーフィラー」 が他社との違いと性能差を宣伝し始めていた。
回顧 BS「スーパーフィラー」って知ってますか!??
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/8825524/
そんな状況だったから、ミシュランなんて、すごく高性能タイアみたいな印象があって、さらにタイヤのパターンは対称形という概念があった日本のドライヴァー・・・・・いやメーカーでさえ、ミシュランXVSの非対称パターンにエラク驚いたもんだ。
ブルーバード910初期型のカタログより。ミシュランXVSさえ装着していれば高性能みたいな神話が成立していた・・・・
そんな中巻き起こったのがスーパーカーブームで、さらに驚かされたのがタイアのサイドウォールが恐ろしく薄い事に日本人は気づくのだった。
そう「扁平タイア」の存在だ。
ラヂアルタイアでさえ、難色を示す当時の運輸省が、サイドウォールの薄いタイアなんて危険だみたいな、根拠のない考えで、扁平タイアの認可がどんどん遅れて行く最中、神風が吹いた!!
「外圧」だ。
とかく日本は海外からの圧力には弱く、扁平タイアが認められないのは「輸入の障害になっている」との外圧に、それまでごねにごねていた運輸省も、あっという間にドアミラーに扁平タイアの認可を認めてしまった。
Zはスポーツカーだから「ターボ」はダメ!と運輸省にNGを出され続けていたのが、ようやくモデルチェンジ直前にOKに・・・60扁平タイヤも奢られた。
そうなると日本のタイアメーカーもカーメーカーも、それまでのうっ憤を晴らす様に、次々と魅力的な扁平タイア装着車をリリースするようになったのだ。
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Posted at
2015/11/15 13:40:12