とにかく、最初のカーオーディオと言えばやはりホームオーディオと同じ様に機能別に製品があり、それを自分の必要なもの、好みによって揃えて初めて音楽やラヂオを楽しめたのだ。
左の画像の通り、まともに音楽も聴けて、ラヂオを聞くには・・・
「テープデッキ」
「チューナー」
「アンテナ」
「アンプ」
「スピーカー」
が必要だった。
だから逆にそれぞれの製品は個性が豊かで、よりクオリティの高いモノが多くあった様に思える。
例えばスピーカーだ。
最初の頃は、埋め込み式が主流だったが、ここでパイオニアが箱型で置き型の洗練されたデザインのスピーカーをリリースした。
それまでの黒などのゴッツイデザインの開口部のある埋め込みスピーカしか知らなかった僕たちには、このメタリックのボディのスピーカが格別のものと思えた。
この「TS-X9」はボディは、アルミダイカストのゴツイもの。
この後のモデルの「TS-X11」になるとさらにデザインも洗練され、コレを付けているだけでも羨望の眼差しを浴びたものである。
しかし、このサイズのボディ・・・容積では、やはり低音域が不足していた事は事実で、この頃からパイオニアのカーステは中高音ばかり聞える「シャリシャリ音」などと陰口を叩かれたものである。
ここで注目して欲しいのは、「チューンナップスピーカー」なるものの存在。
これは、クルマの室内では「高音中音」が不足しがち・・・という事で、ソレ専用のスピーカーというものが発売された。
こりゃ現代の、ツィーター別置きの元祖ともいえるものだが、カーオーディオの黎明期に、すでにパイオニアがこうしたスピーカーを出していた事は賞賛に値するだろう。
しかし、こうしたパイオニアの努力もカーメーカーのオーディオに対する認識の薄さから、大変な努力を背負う事になっていた。。。。
オーディオスペースの大きさが、各社各様でまちまち・・・
勢いオーディオメーカーが、各社の全てのクルマのスペースを計測して、それに合ったフィッティングキットを用意しなければならなかったのだ。
そのためにできるだけサイズはコンパクトな方がイイ・・という事で、DINよりナローなサイズ(まぁ当時はDINそのものも不明確だったが・・・)が主流だった訳だ。
パイオニアの攻勢を他のメーカーも黙っている訳は無かった。
後から出てくるメーカーは先発のモノを研究し尽くして出てくる訳だから、それはレヴェルが高くなるのは当然。
さてさて、パイオニアはそんなライヴァル達にどう立ち向かって行ったか?
それは勢いのあるメーカーはやはり違う・・・という、まさに工業製品の地を行く商品開発の連続でもあったのだ。。。
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ナヴィゲーション | クルマ
Posted at
2007/05/13 01:56:43