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2005年10月13日

交差 F31レパードとZ20ソアラの怪しい関係

交差 F31レパードとZ20ソアラの怪しい関係 あぶ刑事ですっかり有名になってしまった「F31レパード」。

対するは、初代が予想外に売れてホクホク顔の「Z20ソアラ」・・・

初代レパード は、リヤのピラーをビハインドするなど、それまでのデザインの手法とはまったく異なったテイストでデザインされ、エクステリア的には欧州の名だたるカロツェリア達の度肝を抜いた、日産痩身のクルマであった。。。

しかし、如何せん1800の訳の分からないグレード設定があったり、旧態依然のL型エンジンでは、新装開店大排気量ツゥインキャムのソアラの前では精彩を欠き、販売台数では最後までライヴァルに差を開けられっ放しであった。。。

一方の初代のソアラは、日本人好みの直線と面で構成された、シンプルな中でも重圧感のあるデザインで、トヨタの予想に反して大ブレークしたモデルであった。

また、クーペデザインのABCピラーの比率6:4の黄金比率と、さらに、それぞれのピラーの延長線は、ある地点で集約する・・といった、美しいクーペ・デザイン理論を確立した事でもエポックメイキングなクルマであった。

そういった、バックボーンから、それぞれの二代目が創生されたのだが、ここにデザインが決るまでに面白い現象が起こったのだった。

まずは、ソアラの最終実物大モックアップをご覧頂こう。



ピラー部のスリットなど、細かい部分では生産車と異なるところはあるが、殆ど完成されていたと言えよう。

二代目のソアラは「キープコンセプト」で行く事が、早々に決まっていた。
しかし、古今東西、「キープコンセプト」で成功したクルマは皆無に等しかったが、トヨタのデザインチームは 「メルチェデス、BMWがついて来れない様なキープコンセプト」 を合言葉にデザインを初めスケッチを描いた。

しかし、キープコンセプトと言っても、最初は制約無くデザイナーに自由にスケッチを描かせ、他の可能性も探っていたのであった。。。そこがトヨタの優柔不断なところでもあった。。。

そして、そのイメージスケッチの中の一枚がこれである。。



おや!?このリヤの処理の仕方・・・どっかで見たような???

そう!なんだかんだと言っても、初代レパードの完成されたデザインには彼らも興味津々だったのであった。
それを新型に生かせないか!? とスケッチを走らせたのだが・・・

やはりオリジナルは超えれなかったのであった。

されば、我らがF31レパードはどうかといえば、まず最終案に近いフルサイズのモックアップを見ていただこう。



あぁ、まさしくF31のテイストである。

F30のレパードのエクステリアデザインは、欧州の名だたるデザイナーを唸らせたデザインであった事は否定しないが、残念なことに「先進的」すぎて、当時のユーザーがそれについてゆけなかった事もまた事実であった。

そこで、二台目は飽きの来ない基本的なクルマとしてのディメンジョンをピシッと通して、ボディの基本的な美しさで勝負しよう・・と企画された。

イメージとしては、高層ビルの下をスゥーと流れるように走り抜ける時、周囲の都会的な情景がボディやウインドゥに写りこんで流れる、金属的な透明感・・・

「高層ビルの下に流れる残影・・」をモチーフにしてデザインしたという。

そこから、また多くのイメージスケッチが描かれ、クレイモデルが造られたが・・・そのうちのひとつがこれである。



ツゥードア・クーペとしての、基本的なディメンジョンを守って、忠実に形として再現すると・・・
これまた、どっかで見た形が出来てしまったのだ!

6:4のピラー配列比率・・・しかも、そのピラーの延長線が綺麗に上方で交わる・・・まさに、トヨタが確立した美しいクーペのデザイン論にハマってしまったという訳だった。

これではイカン!という事で、日産は独自の「美しいクーペ論」を模索した。

その結果が「真横から見て、算用数字の6が描けるライン」であった。

F31レパードは、その新しい日産のデザイン論によって創生されたのであった。

しかし、イメージスケッチなどの、まだまだデザインが固まらない段階とはいえ、ライヴァル同士がお互いのデザインテイストに、ある地点で交差したというのは、なかなか面白い現象ではないだろうか?

F31レパードもZ20ソアラも、販売台数の差こそあれ、後世まで印象に残るクルマのひとつとして、記憶される事になった事にも、なにか因縁めいたものを感じるのだが。

まったく感性というモノは、時にドラマティックな事を起こしてくれると、改めて思い起こさせてくれる二台である。

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Posted at 2005/10/13 00:58:43

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この記事へのコメント

2005年10月13日 7:10
2台とも感慨深いクルマです。私のF31好きは、MZ10好きからスタートしていますから・・・モーターショーの壇上にあったソアラ3000GTエレクトロマルチビジョンはいつまでも忘れ得ない憧れです。オーソドックスな美しいクーペボディの追求が、開発の中でライバルメーカー通し、交差していたのは面白い偶然ですね。さて、F31前期のスケッチの中に、これは当初に後期が出来上がってのではと思わせるサイドビューのレンダリング1枚があります。ソアラとの差別化の為に、少しオーバーとも言えるソリッドな線の前期に味付けをしたのではと解釈しているのですが、徳小寺さんは如何思われますか?
コメントへの返答
2005年10月13日 13:03
お互いに究極のクーペデザインを目指した結果・・・というのが全てではないでしょうか?
正直、その究極のクーペ像は、悔しいかなトヨタに先を越されてしまった訳ですが・・・

本職の小林さんにコメントをするのは、非常に緊張するのですが、トヨタが描いたF30調のスケッチは、自分たちでも、あのデザインを解釈したい・・そういった熱心さから起こされた物ではないかと推測しています。

>当初に後期が出来上がって・・・
僕なりに解釈すると、マイナーって現行型のネガティブな面を払拭するために行いますよね。

恐らく、前期に後期に似たモノがあったとすれば、前期も本案が決まるまで、多くのデザイナー達が、同じベクトルでデザインを進めたとしても、デザイナーの解釈が微妙に違ったモノの一枚か、さらにほとんど大まかなディテールが決まった段階で、その作り込みの為に、微妙なテイストの違い(ベクトルの解釈の違い)で故意に描かれた一枚ではないでしょうか?

それが前期として採用されないでボツ・・さらに、たまたま後期のテイストに一致していただけでは無いでしょうか?

後期も、そのスケッチから起こされた・・というのではなく、あくまで、前期のデザインに付いても、市場からのフィードバックがあって、それに基づいてデザインを焼直したら、偶然にも、前期のスケッチの中の一枚に似たモノがあった・・・というのが、僕のシロウトな考察です。

似てる似てると言われるZ20ソアラとF31レパードですが、大まかなディメンジョンは似てても、細部の方向性はまったく異質なモノですよね。

ただ、ソアラは王道を行っていたのに対して、レパードは初代の否定と新たなクーペ像の想像という作業でしたから、いかにソアラ臭を消すかと言う事で、前期は呆れるほどのソリッド感を強調していたのかなぁ。。。と思います。

まあ、どちらのクルマもデザナーの思いがヒシヒシと伝わってくる言葉のあるデザインですね。。
2005年10月13日 9:39
はじめまして。

父親がレパード大好きでした。
1982年から1992年までの10年間で4台購入しました。
最初がF30のZGXターボの4ドア。
F31に関しては前期のXS-Ⅱターボと後期型のアルティマターボ。
さらにレパードJフェリーのV8モデルタイプXまで買いました。

どの車も販売台数はイマイチでしたが、デザインや質感はとても良かったです。
Jフェリーのコノリーレザー製の内装は、国産車と思えない素晴らしい仕上がりでした。

とくに自分は免許を取って最初に乗った車の、F31のアルティマターボに思い入れがあります。
家にはこの一台しか車がなくて、パワフルすぎビビリながら運転していました。
コメントへの返答
2005年10月13日 13:16
はじめまして!
レパードは、それまでとは違った新しい価値観によって作り出されたクルマでした。
単純に高級だけでない、高性能だけでもない、その全てを高次元で融合させた新しい時代の新しいクルマでした。
初代の先進的な内装外装は、それまでの4ドア、2ドアの概念を吹き飛ばしましたし、F31はまさに高性能なパーソナル高級クーペでした。
Jフェリーも、デザインについてとやかく言われますが、あの塊感。。モノフォルムルックは今見ても色褪せませんね。
Jフェリーの頃の日産車のレザーはどれも凄かったですね!
実物を見れば、誰もがため息をつくくらい見た目も、造りもそれまでの国産車とはまったく違ったモノでした。
お父さんは、レパードというブランドに絶大な魅力を感じ続けていたのでしょうね。。

現代では、なかなか、そのように乗る人のハートをつかみ続けるブランドって少ないですよね。。。
また日産車にそんなテイストのクルマが生まれてくる事をファンとして願って止まないのですが・・・ティーダやフーガが、そこまで育ってくれるか。。大いに注目しています。。
2005年10月13日 10:54
私はあぶ刑事で暴走するレパードが大好きでした。
某雑誌には下半分が初代ソアラ、そこにBMWの6のキャビンを載せただけって書いてましたね。
黄金比・・・だから格好いいんですかね。
レパードにマニュアルがあったら買いたいところです。

ライバル同士って互いに意識しあうってことですね。
実際はレパードは逃げてしまったということになるかもしれませんが・・・
コメントへの返答
2005年10月13日 13:25
あぶ刑事の影響力ってスゴイですよね!!

ウチの近所でF31の集まりがあると・・にわかの「タカ」と「ユージ」がウジャウジャいます!?

さて、王道のクーペ・スタイルを追求したら。。。どうしても過去から現代に至る、美しいとかカッコいいというクルマたちのスタイルに似てしまうのも、ある意味で仕方ないかもしれませんね。

売れてる売れていない・・・は別にして、良い意味でのライヴァルだったのに・・・僕も今、レパードの姿が無いことが寂しくてしょうがないですねぇ。。。。
2005年10月13日 12:04
知人が「あぶ刑事」に憧れてレパード乗っていました。よく運転させてもらいましたが、なによりV6エンジンのスムーズさに参りました!あの頃の日産は直6のRB、V6のVGと心に残る名機がありましたね。
コメントへの返答
2005年10月13日 13:29
世の中が「ストレート6」は「最高!」だなんて論理に染まっていた頃、日産がある意味で世の中に問いただしたエンジンですから、なかなかもモノがありましたよね!
VGが無ければ、世界の名機と言われる「VQ」だって生まれてきませんでしたからねぇ。。。
ああ言った、良くも悪くも印象的で官能的なエンジン。。。また日産から出てくるでしょうかねぇ。。。
また何年かして、こういった掲示板で、そんな話題が出れば良いなぁ・・と思っているのですが。。。

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「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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