僕たちの年代だと当たり前の事が、時間と共に「当たり前」で無くなってしまう。
それを、最近は痛感している次第である。
当たり前の様に、見聞きしていたクルマが現代では、その名も知られなくなり、今の30代以下は逆に新鮮に感じてしまう。。
先日も、つい国道を走っているオレンヂ色の「ベレットGT」を見て、道端を歩いている数人が、あれは一体何と言うクルマなんだ!?と話しているのを見て、さらに、その思いを強くした。
ベレット、それはいすゞがかつて生産していた小型乗用車。
昔の日本は、戦争によって技術革新の波に完全に取り残され、そのギャップを埋める為に、海外のメーカーと提携を結び、提携先のクルマを盛んに生産していた時代があった。
いすゞも例外ではなく、さらにトラックメーカーとしてのノウハウはあるが、乗用車となると・・・という事で、英国のルーツ自動車と提携し、MKⅥヒルマン・ミンクスをノックダウンしていた。
日産は英国のオースチン、いすゞはルーツ、日野はルノーと、当時日本車は小型車の多い欧州メーカーとタッグした。
そして、徐々にそうした先輩たちの技術を吸収すると、独自のクルマを作る事が盛んになってきた。
いすゞは、ヒルマン・ミンクスの後継としてふたつのブランドを立ち上げた。
ひとつは中型セダンの 「ベレル」。
「ベレル」の名前の由来は、会社名の「五十鈴」から、五十はローマ数字の「エル」、鈴の「ベル」を合わせて「ベレル」としたと聞いた事がある。その「ベレル」だが、とにかくトラブルが多く地味なデザインが災いして不人気車のレッテルを貼られてしまった。
同時期のクラウン、セドリックに比べ、これといった個性も無く目立つのは「三角形テール」くらいで・・・しかもトラブル連発では。。
そして、もう一台が「かわいい五十鈴」という事で、フランス語の「かわいい」の形容詞「belle」と「ベル」を合わせて造語された「ベレット」 であった。
保守的で、小型車の造り方も手探りの状態で造られていたお兄さんと違って、どうせ後発のメーカが作る小型車なので思い切り吹っ切れたクルマを・・・・という事で、実にやんちゃな妹だったが、その性格が災いしてか、どうも後世では、本来の 「ベレット」 と違った印象ばかり目立ってしまったが。。。
その辺りは後日。
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Posted at
2010/07/02 03:06:19