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2019年11月12日

フェラーリのモデル変遷(スペチアーレ・フェラーリ編)

フェラーリのモデル変遷(スペチアーレ・フェラーリ編) 連載企画「フェラーリとランボルギーニ」の続きです。


ベビーランボ編で、『再開』と言っておきながら、単発で終わり、別の話題に行っちゃいました。(汗)


すみませんね、気が多くて……。





本日は、いよいよスペチアーレ・フェラーリ編です。


『スペチアーレ・フェラーリ』でググると、この車がヒットしちゃいますが……


(写真は、フェラーリ458スペチアーレ)

この車の事ではありません。


458のスペシャルバージョンではなく、スペシャルなフェラーリたちの話です。


商業的に『スペチアーレ・フェラーリ』として企画し、販売した車はタイトル画像のフェラーリF40が最初だと思いますが、私は、この車から始めたいと思います。





フェラーリ288GTO(1984年~1985年)



見た目は308GTBですが、全くの別物。


スタイリングは308GTBそのものと言って良いですが、オーバーフェンダー化していたり、そもそも軽量化の為にカーボン製のものに置き換えていたりで、308GTBのパーツを使っているのはウィンドウ類など、ごく限られたものと言って良いでしょう。


もちろん、メカニズムも別物。


308GTBと同じV8エンジンではあるものの、当時のレースカー(グループC)のランチアLC2用(フェラーリ製)V8ツインターボがベースであり、308GTBのエンジンとは別物。



駆動系も、308GTBがエンジン横置きだったのに対して、縦置きに変更されています。


車名の288は、2.8ℓ V8を示しています。(2.8ℓになったのは、当時のターボ係数1.4を掛けて4.0ℓ換算となるように 2,855ccとしているのです)


また GTOと言う名は、イタリア語で競技車両を示すOmologationから来ており、かの有名な250GTOから引き継いだもの。


リアのスリットは、エアアウトレットとして機能させるというより、250GTOの意匠を加えたという意味の方が大きいでしょうね。



グループBのホモロゲーション・モデルとして生を受けた288GTOでしたが、肝心の出場レースがスタートする事無く、グループB規定は廃止されてしまいます。


これは、先行してグループBでレースを行っていたWRCで、重大事故が多発したためです。


1985年、圧倒的な強さでチャンピオンになったプジョー205ターボ16。



そのプジョーを追って、ミッドシップ・フルタイム四駆モデル デルタS4を出したランチア。



前年、037ラリーで戦ったランチアは、第5戦ツール・ド・コルスでアッテリオ・ベッデガが事故死していましたが、1986年に本格参戦したデルタS4で、またしても第5戦ツール・ド・コルスで、エースのヘンリ・トイボネンが事故死(コ・ドライバーも同時に命を落としている)。


このラリーを機に、WRCは1986年を以って、速すぎて危険なグループBによる競技を中止。


競技そのものが始まってもいなかったトラックレースは、一度も開催されることなくグループBが消滅。


戦う場を失った288GTOは、活躍の場を与えられることもなく、272台が生産されただけで終わったのでした。







フェラーリ F40(1987年~1992年)



戦う場を与えられなかった288GTOでしたが、フェラーリはそんな288GTOをベースに、さらにポテンシャルをアップさせた車を開発します。


それがフェラーリ F40です。


この車は、エンツォ・フェラーリが開発を指揮した最後のフェラーリと言われています。


かつてのフェラーリがそうであったような「自分でサーキットまで運転して行き、そのままレースに出られる市販車」を作るべく、エンツォが製作を指示した車は、1987年にフェラーリの創業40周年を記念する車としてF40と名付けられました。



その低いノーズや、巨大なリアウィングは、まさにレースカーそのもの。


メカニズムは真新しいものは無く、旧来からの鋼管によるスペースフレーム方式を採用。


駆動方式もコンベンショナルなMRと、同時期のライバル、ポルシェ959が、トルクスプリット式フルタイム4WDだったことを考えると、旧態依然と言っても良いものでした。


ただ、それが却って良かったのかもしれません。


当時の最新技術のトルクスプリット式フルタイム4WDなど、今では珍しくなくなりました。


それに対し、純粋なレーシングカーのようなレイアウトの288GTOは、今でも大変魅力的です。



288GTOの2.8ℓは、3.0ℓに拡大されました。


これは、ターボ係数が1.4から1.7になった為、5.0ℓ換算となるよう、2,936ccにしたとも言われていますが、開発時にターゲットとしたレースやカテゴリーは不明で、本当に5.0ℓ換算となるように意図したかは不明です。


F40の3.0ℓツインターボエンジンは478psを発揮しますが、出力特性は所謂ドッカンターボで、非常に危険な車と言われています。


しかし、F40はレースでも盛んに使われ、人気もあった事から、1,311台もの台数が製作されました。





フェラーリ F50(1995年~1997年)



F40がフェラーリの創業40周年を記念する車なら、F50は創業50周年を記念する車。


開発コンセプトは「公道を走るF1」。


そのコンセプト通り、搭載するエンジンは、1992年のF1マシンF92Aに搭載された3.5ℓ V12エンジンをベースにしています。


そして、そのエンジンをシャーシの一部としてボディに剛結、リアサスペンションをそのエンジンに取り付けるという、F1そのものの構造をしています。


もっとも、その構造ゆえに振動はものすごく、快適性に劣る車となっていました。



F1の3.5ℓから 4.7ℓに拡大したエンジンは520psを発生しますが、同時期(1993年~1998年)に発売されたマクラーレン F1は6.1ℓで636psですから、速さと言う点では敵いません。


それもあってか、フェラーリは「F50は性能を追及した車ではない」と言っているようです。



人気が出たF40を1,311台も作ってしまい、一時期、価値が下がってしまった事を教訓にして、フェラーリはF50の生産台数を349台としました。


これは、かつてエンツォが、「顧客が望んでいる数の、常に1台少ない数を供給する」と言っていた事を実践した事になります。


なお、実際にF50が発売されたのは、フェラーリの創業50周年より2年早い1995年です。


これは、当時のヨーロッパに施行された新しい排気ガス規定より前に、予定した台数を全て売り切ってしまう為といわれています。






フェラーリ エンツォ・フェラーリ(2002年~2004年)



創始者エンツォ・フェラーリの名を冠した車。


この車が出た当時、私は「フェラーリにとって、これ以上の名前は無い。この車の後、どうする気なんだろう?」と、心配になったものです。


この車のデザインは、当時、ピニンファリーナでデザインディレクターをしていた、ケン奥山こと、奥山清行氏によるものです。


私、このデザイン、フェラーリらしくない(≒ピニンファリーナらしくない)と思うんですよね。


フェラーリって、もっと優美な曲線美の方が似合うと思うのです。


エンツォ・フェラーリって直線基調で、どちらかと言うとランボルギーニっぽい。(汗)



デザインテーマは明らかにF1で、フロントノーズの造形はF1マシンを意識した事がありありと感じられます。


ドア後端の形状も、F1マシンのドライバーの後ろにあるエアボックスの形状を思わせる物があります。


その一方で、F40やF50にあった巨大なリアウィングが姿を消しています。


これは、アンダーパネルやリアディフューザーによるグランドエフェクトにより、十分なダウンフォースが得られているためです。


F1マシンを模すなら、リアウィングがあった方がいい気がするのですがねぇ。


エンジンは、F50同様 V12エンジンを採用しています。


排気量 6.0ℓのエンジンからは660psを発揮、もう遅いとは言わせない!(笑)



F40では古式ゆかしきスペースフレーム、F50はF1さながらのエンジン剛結しフレームの一部として使用するなど、両極端の車造りでしたが、この車では、他のハイパーカーと同様のカーボンコンポジット形成のモノコックとなっています。


なので、F50よりも振動も少なく、快適になってます。(笑)


いかにも、新時代のフェラーリと言った感じですね。





フェラーリ ラ・フェラーリ(2013年~2016年)



前モデルで、創設者エンツォの名を付けてしまった後、どうするのかと思いましたが、新しいスペチアーレ・フェラーリにはラ・フェラーリの名が与えられました。


"La"は、英語では"The"にあたります。


つまり、Theフェラーリっていう意味ですね。


それはそれで、次が困るぞぉ。


「これぞフェラーリ!」以上のフェラーリってあるのか?



デザインはピニンファリーナではなく、フェラーリ社内のデザインチームによるものです。


可変スポイラーを始め、造形美よりエアロ優先って感じです。


ラ・フェラーリでは、電気モーターのアシストが追加されました。


所謂ハイブリッドカーです。


もっとも、”エコ”に振り向けている訳ではなく、エキストラパワーの為に電気モーターを使う、パフォーマンスの為のハイブリッドです。


興味深い事に、同時期にポルシェ918ハイブリッド、マクラーレンP1と、ハイブリッド・ハイパーカーが生まれています。


どの車も、超絶性能を誇りましたが……でも、エコカー減税になったんだろうなー。



エンジンは6.3ℓ V12で800ps、モーターはF1のKERS技術をフィードバックした「HY-KERS(ハイ・カーズ)」と呼ばれるもので163ps をアシストし、全体で963psを誇ります。


最高速は350km/hオーバーだそうですが……実際にはどれくらい出るんでしょうか?


ちなみに、ラ・フェラーリには、オープン仕様も存在します。


ラ・フェラーリ アペルタ



以前、大黒PAで目撃しました。



一体、いくらするんでしょうねぇ?





スペチアーレ・フェラーリと言う事で、今回は特別編として写真多めでお送りしました。(爆)
ブログ一覧 | Ferrari | 日記
Posted at 2019/11/13 06:53:58

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この記事へのコメント

2019年11月13日 8:13
(^・x・^)これで、シリーズは
(^・x・^)終わり?お疲れ様でした。

(^・x・^)ありがとうございました。
(^・x・^)とても自分にとっては面白いシリーズになりました。ボクにこの知識があったらブログでやってたと思うんですよ。まぁ、知識がないので出来なかったのですが。

(^・x・^)スペチアーレといえばもうF40
(^・x・^)これ以外はあんまりなぁ‥
(^・x・^)という感じです

(^・x・^)確かに959に比べたら旧態依然とした駆動方式ですよね、比べたこと無かったなぁ(笑)930で思考停止なポルシェがあんなものを作ったこと自体すごいことではありますが。

(^・x・^)ドッカンターボが2個付いて時速、実に324キロ!ディアブロがその後最高時速325キロを誇った時は流石に笑っちゃいましたが。初めてみたのは東京ドームで88年の年始に開催した輸入車ショーだったかな?意外に小さくて

(^・x・^)カローラサイズ?
(^・x・^)と思ったものです。

(^・x・^)そうなんですよ、F50はイマイチスペック的にスペシャル感が欠けてましたよね。以後F60やF70が出るものと考えてましたけどね(笑)

(^・x・^)しかし後のシリーズは、エンツオ以降、ネーミングの大袈裟感がしっくりこなくてスペチアーレといっても‥

(^・x・^)スペチアーレって本当に特別じゃないといけないはずなのにいつの間にか、ひとつのジャンルになっちゃってますからね~。ケン奥山のスタイリングは僕は好みです。でもスペチアーレでなくても良かったし、やっぱりF40を超えるカッコ良いスペチアーレでは無かったかな。

(^・x・^)本編にもありますが
「これがフェラーリ中のフェラーリ」って大袈裟なネーミングするから、出るたびに
(^・x・^)んなワケないやん!
(^・x・^)って僕もいつも思ってました。
(^・x・^)「フェラフェラ詐欺」ですよね!語感がよくありませんが(笑)

(^・x・^)さて、これでお終いでございますか!ありがとうございました!
(^・x・^)お疲れ様でした。


(^・x・^)タケラッタ先生!
(^・x・^)実は先生に執筆して頂きたいシリーズがまだあるんですよ!

(^・x・^)これはですね、僕がみんカラを始めた当初から温めてきた企画なんですが

(^・x・^)もはや僕のブログのカラーに合わなくなってきたのと、タケラッタ先生こそ書くべき企画だと思いますので。お願いしたいです。

(^・x・^)詳しくは来週お会いしたときに。あーでも裏方業務でお話する時間ないかなぁ‥でもでもランチの釜飯のところで捕まえて下さい

(^・x・^)何を書かせるつもりだ!と(笑)
コメントへの返答
2019年11月13日 23:09
>お疲れ様でした。
ありがとうございます。
>これで、シリーズは終わり?
え? まだ続きますよ?

>ボクにこの知識があったら…
いやいや、大した知識じゃありません。
世の中には、もっともっと詳しい変態が……。(汗)

>スペチアーレといえばもうF40
個人的には、あざといデザインのF40より、288GTOの方が好きです。

>比べたこと無かったなぁ
あれ? そうですか?
当時、両車がラリー車いがいのグループB車両でしたから、当然比べていると思っていました。

>実に324キロ!
>ディアブロが325キロ
997GT2は329km/hです。(^^)

F50は、リアルF1であることに意味が有ります。
むしろ4.7ℓに拡大せず、3.5ℓのまま出せば良かったんじゃないかとも思っていますよ。

>ネーミングの大袈裟感が
ですよねぇ。
究極の名前をつけちゃったら、次が困るっていうのに。
旧い話ですが、昭和が終わり、元号が「平成」と発表された時、どっかの市民団体のおばちゃんが「もっとストレートに『平和』として欲しかった」と言っていましたが、じゃ次の元号になる時「『平和』な時代は終わった」になるって言うのが分からんのか? バカだなぁ と思った事を思いだしました。

>「フェラフェラ詐欺」 語感が…
えー、ボク分かんないー。(←棒読み)

>さて、これでお終いでございますか!
だから、続きますって!

>執筆して頂きたいシリーズがまだあるんですよ!
ちょ、ちょっと……
私は作家とちゃいまっせ!(汗)

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