AUTOCAR JAPAN のWeb記事で、過去のコンテンツを振り返る「回顧録」なる記事が掲載されることがあります。
今回は
BMW M5 E60 vs フェラーリF430 の記事の回顧録でした。
以前にも
BMW M5(E60) vs アウディRS6(C5) なんて記事も載せていましたし、もしかしたら編集部に E60 M5好きがいるのかもしれませんね。
今回の記事をそのまま載せちゃうと、またブログが削除されちゃうかもしれないので別件です。
タイトルで気付いた人もいるかもしれませんが、AUTOCAR の記事はフェラーリF430ですが、今回のブログタイトルは、同じフェラーリでもマイナーチェンジ前の360モデナなんです。
この2車を並べてピンときた人は、相当のクルマ通です。
実は、この2台のデザインを手掛けた人が同じなのです。
その名は
ダビデ・アルカンジェリ。
えっ、その頃のBMWのデザインはクリス・バングルでは? と言う人も多いのではないかと思います。
クリス・バングルは当時のBMW社内のデザインチームの責任者であり、デザインのベースはアルカンジェリのものだったのです。
ここでダビデ・アルカンジェリについて説明しますと、BMWに来る前は“あの”ピニンファリーナに在籍していました。
アルカンジェリを一躍有名にしたのがプジョー406クーペです。
デビュー時に、『世界で最も美しいクーペ』と呼ばれた車です。
そして、ピニンファリーナといえばフェラーリ。
フェラーリ360モデナもアルカンジェリによるデザインなのです。
それまでのフェラーリと言えば、フィオラヴァンティの影響の濃いラインをしていましたが、360ではリトラクタブルヘッドライトや、トンネルバックを捨て去り、モダンなスタイリングへとチェンジしました。
フェラーリ スタイリングの一大転機にアルカンジェリが関わっていたのです。
話をE60 M5に戻しましょう。
従来のBMWのイメージとは大きく異なるスタイリングは賛否が分かれたものの、デザインを革新的なものにすることはBMW社内上層部による決定事項でした。
実は、E60のデザインはプジョーのために描いたデザインスケッチがもとになっているという話もあります。
言われてみれば、テールランプの辺りなんか406クーペに似ている感じもします。
無事、アルカンジェリのデザインが承認されたものの、E60のワールドプレミアの時に、アルカンジェリはその場にはいませんでした。
彼はE60が世に出る前に、急性白血病でこの世を去ってしまったのです。
彼亡き後、BMWはいわゆるBMWらしいデザインへと回帰しました。
それはそれで悪い事ではないかもしれません。
でも、もし彼が存命だったら、どれ程新しいBMWが世に出ていたかと思うと、残念でなりません。
ダビデ・アルカンジェリの遺作であるE60、そのMシリーズであるM5を大事に乗っていきたいと思います。
Posted at 2017/10/23 21:27:41 | |
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