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2021年05月22日

トヨタとル・マン その5

トヨタとル・マン その5 残り3分というところで、ほぼ手中に収めていたル・マン初優勝を逃したトヨタ。


“残り3分の悲劇”とも言われたあまりにも悲し過ぎる結末に、ポルシェオーナーでありながら、ポルシェではなくトヨタの勝利を願っていた私も、とてもガッカリした覚えがあります。


まぁ、個々のメーカーと言うより、やっぱり日本人として日本のメーカーに勝って欲しかったんでしょうね。


レース前に、「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」とまで言って勝利への意気込みを見せたトヨタでしたが、この言葉はむしろレース後にこそ相応しいものになってしまいました。


そんなトヨタですから、翌年ももちろんル・マンに挑戦しました。






2017年 トヨタ・TS050



「何としてでも ル・マンの初優勝を」

トヨタは、2012年にル・マンに復帰して以降、ずっと2カーでのエントリーでしたが、今期はライバル並みの3カーエントリーとなりました。

そのライバルですが……


まず、ポルシェは、トヨタとは逆に2カーエントリーとなりました。

さらに、マシンのカラーリングが変更されたのですが……



えっ、ちょっと、この配色は、トヨタのガズー・レーシング カラーじゃないですかっ!

遠目から見たら、トヨタのマシンとの区別がし難くなるんじゃね? って思いました。(汗)


一方、アウディはと言うと、2016年いっぱいで、18年間に渡って出場してきたル・マンを含む世界耐久選手権から撤退してしまいました。



アウディが属する VWグループが ディーゼル・ゲート(ディーゼル車における排ガス規制での不正行為)を起こしてしまった事が、ディーゼル・エンジンでル・マンに参戦していたアウディ・チームを直撃した形ですね。

18年間で13勝を挙げたアウディでしたが、こんな形での幕引きになるとは……

ま、レギュレーション上のディーゼル・エンジンへの優遇も少なくなって、勝利も段々と難しくなってきていたし、同じグループのポルシェも参戦し始めた事だし、あとはポルシェに任せようって感じですかね。

トヨタの並々ならぬ思いと対照的に、ドイツ勢から熱意が急速に萎んでいったのが、この年のル・マン 及び 世界耐久選手権でした。


で、そんな熱い思いが込められた ル・マンですが、3台全てにトラブルが出て、結果を残すことが出来ませんでした。

レース後、豊田章男社長は、ドライバーに「思い切り走らせてあげられなくてごめん」と謝罪すると同時に「クルマを速くするだけではルマンには勝てないんだ! 我々には“強さ”がない! 強いチームにはなれていない!」という言葉を残しています。

まあ、ピットレーン上で マーシャルと同じカラーのレーシングスーツを着た他チームのドライバーの紛らわしい仕草で誤ってピットレーンを出てしまい、それを制止したら、想定外の動きになってしまってクラッチが壊れたとか、不運もありましたけどね。

まぁ、ポルシェにしても両方の車にトラブルが出たものの、1時間以上もピット作業で止まっていた車で勝ってみせたので、その辺がトヨタには足りなかったんでしょうね。






2018年 トヨタ・TS050



「何としてでも、ル・マンで優勝したい!」

その思いは、あまりにも簡単に叶えられる事になりました。

ライバルのポルシェが、2016年のアウディに続いて、2017年いっぱいで撤退してしまったのです。


ライバル不在、参加すれば勝てる。


トヨタも、「どうせなら、ライバルを破って勝ちたい」と思っていたでしょうね。

まあ、実際には『勝って当然』の状態は、違うプレッシャーもあったとは思いますけどね。





個人的には、ポルシェの撤退は アウディの撤退でポルシェに移籍したアンドレ・ロッテラーが、たった1年で再びシートを失う事になったので、単にポルシェの撤退という事以上に残念に思いました。

ロッテラーは、日本ではトムスで走っていたトヨタ系のドライバーだったんだからトヨタで走れば? って思っちゃいましたけどね。





ロッテラーを乗せたいと思っていたシートには、この人が座りました。



トリプルクラウン(モナコ、インディ、ル・マン)を熱望していた、フェルナンド・アロンソです。

ちょうどその頃は、アロンソの乗るマクラーレンが絶不調だったので、F1以外にモチベーションを求めた時期でした。

ただねぇ、前述の様に、トヨタは参加しさえすれば勝てる状況でした。

トヨタにしても、「勝利の為に、是非ともアロンソさんのお力を貸してください」 って感じじゃなかった。

むしろ、アロンソ側の「今年のトヨタなら確実に勝てそうだね。だったら、その車に俺も乗せてよ!」 って感じ。

そんな、『勝って当然』の状態で勝ったところで嬉しいの?



嬉しかったようです。(笑)







念願のル・マン初優勝を飾ったトヨタは、気が付けば 2000年のアウディと同じ立場となっていました。


唯一残ったワークス・チームとなった事で、トヨタの存在はル・マンや世界耐久選手権の存続にも拘わってくるため、おいそれと撤退出来なくなりました。


トヨタに頼らざるを得なくなった、ル・マン、及び 世界耐久選手権ですが、競争が無くなると単調でつまらなくなりますから、唯一のLMP1 HVマシンのトヨタに対し、プライベーターのLMP1のレベルになるまで EoT(Equivalence of Technology:技術の均衡)と呼ばれる性能調整を求めます。


速く走れるように開発を進めれば、その分のEoTが課される……容易に勝てる状況ではなくなりましたが、2019年、2020年と トヨタ・TS050はル・マンを連勝。


そして、2021年からは、ハイパーカーで争われる事になった ル・マン、及び 世界耐久選手権にトヨタ・GR010 HYBRIDで参戦、今年もル・マンを制しています。




ただ、トヨタとしても、ガチンコのレースをした上で ル・マン優勝を勝ち取りたいんじゃないでしょうか?


そういう意味では、早くル・マンに参戦するライバルメーカーが現れて欲しいですね。


出来れば、レースカーがEVになってしまう前に……






ようやく終わった。(長かった…)



ー完ー
ブログ一覧 | TOYOTA | 日記
Posted at 2021/05/22 19:16:27

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