2回続けて自動車税について書きましたが、引き続き自動車税ネタです。
今日は私には関係の無い、軽自動車税について書いてみようと思います。
今年度から軽自動車税の税額が変わりました。
今までの7200円から、10800円に3600円増税されました。
この件に関して、某社の社長さんが「弱い者イジメだ」と文句を言っていましたね。
ホントでしょうか?
確かに軽自動車と言うのは、車両価格も安く、維持費も安い為、所得の少ない人でも買いやすい車です。鈴木社長(あ、名前出しちゃった)の言う『弱い者』にあたる人が購入する車と捉えられるかもしれません。
でも、今の日本の自動車販売に占める軽自動車の割合を考えると、『弱い者』だけが買っているわけではないですよね。
2014年の新車販売で、遂に軽自動車は全体の40%を超えてしまっています。
これだけ軽自動車が売れているって事は、当然、市場を奪われている車があるって事ですよ。
2014年の車名別販売台数を見てみると…

10車中なんと7台が軽自動車です。
残る3台もアクア、プリウスはハイブリッドカー、フィットもハイブリッドを含みます。
と言う訳で、トップ10の中に普通の車は1台も無いんです。
ランキング上位に入っていないだけでしょうか?
それも違います。
一部のコンパクトカーとミニバンが売れているものの、小型乗用車の多くが販売不振です。
1.5リッターのセダンはカローラ以外消滅。
一部車種が売れているコンパクトカーも、マーチやミラージュは軽自動車を除いたランキングですら、トップ30にも顔を出していません。
これって、完全に軽自動車に市場を食われている為です。
何しろ、軽自動車に比較すると自動車税が高過ぎます。
1リットル以下が29500円、1.5 リットル以下だと34500円ですから。
それでいて、軽自動車って外寸こそ小さいものの、室内は広い。
ムーブが出た頃はセルシオよりも広いと言われたものですが、今やムーブよりも広いタントなどの車があります。エンジンパワーが少ないかと言えば、ターボ付きなら64psあります。
これで税金が安いとなれば、みんな軽自動車を買いますよ。
普通なら、より優れた製品が売れる事は良い事だと言えると思います。
しかし、そこには軽自動車という優遇された上での販売実績だという問題があります。
現に、諸外国(主に米国)からは「日本市場の閉鎖性と保護政策の象徴」として批判の対象にもなっています。
でも、私はそれ以上に大きな問題をはらんでいると思っています。
それは、軽自動車は日本国内に限定された製品だと言う事。
いわゆる『ガラパゴス』化した製品です。
各メーカーが、売れているからと言って軽自動車開発に注力し、売れないからと言ってB、Cセグメントの車から手を引いたら、世界市場での日本車の競争力が失われていきます。
そもそも、軽自動車ってAセグメントの車と言ってもいい筈です。
日本の優れた技術力を、日本国内だけでしか売れない軽自動車ではなく、ワールドワイドなAセグメントの車として開発すれば、市場はさらに大きくなります。
国としても、自動車税としての税収だけではなく、輸出による外貨獲得にも繋がると思うのです。
自動車では無いと思いたいのですが、もしかしたら家電や携帯電話で起きた事が自動車でも起きるかもしれませんよ。過去最高益を記録したトヨタの衰退など今は考えられませんが、30年前に今のSONYの苦境を予想した人がいるでしょうか?
優遇により守られた市場ではなく、公平な競争の中で切磋琢磨していけば、日本以上に厳しい市場は無いのですから、絶対に世界に通用する車になると思うのですがね。
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自動車税 | 日記
Posted at
2015/05/08 23:58:35