
スーパーカーを中心とした誌面作りをした月刊誌 GENROQ の Webページ、GENROQ Webにて、連続企画「池沢早人師に訊くスーパーカーブームのウラ側」というものがあります。
毎回、楽しく見させて頂いていますが、今回の話題は ランボルギーニ・カウンタック でした。
池沢早人師に訊くスーパーカーブームのウラ側「第7回:カウンタックは見た目だけでなく走りも“シャープ”だった」
カウンタックと言えば、池沢さとし先生の『サーキットの狼』が巻き起こしたスーパーカーブームにおける王者とも言える車です。(現在は『池沢早人師』ですが、あえて当時のペンネーム『池沢さとし』とさせていただきました)
作中においても、“ハマの黒ヒョウ”が駆る黒いカウンタックが出てきますし、先生がスーパーカーブームを語るにおいても、絶対に外せない車と言えるでしょう。
ただ、今回、先生は意外な事を告白なさっていました。
「恥ずかしい話、連載の途中までその存在を知らなかった。だから公道グランプリの途中から現れることになるんだ(笑)」
なんと!
ああ、だから、登場時はサイドウィンドウのサッシ形状が量産タイプのそれじゃなかったんですね。
1971年のジュネーブショーで発表されたプロトタイプ(LP500)
とてもすっきりしたリアスタイルでしたが、冷却が厳しくて、量産時にはBOX形状のエアインテークや、その後方にダクトが追加され、かなりゴチャゴチャ感のあるリア周りになってしまいます。
池沢先生の話に戻りますと、先生はカウンタックを所有なさっていたとの事。私は、初めて知りました。ロータス・ヨーロッパ、ディーノ、911カレラRSあたりは知っていたのですが……。
「同じ頃、フェラーリの512BBも持っていたので、新車のLP400Sと512BBを日替わりで乗り比べていた。実際に2台を比べたら頭の中にあったイメージとは全く逆で、512BBはボディが柔らかくてロールしながらコーナリングするのに比べ、カウンタックはボディ剛性が高くてフォーミュラカーのようにシャープな走りが楽しめた。ハンドリングも512BBよりもLP400Sの方がシャープでクイックだったね。」
オーナーとして、カウンタックと512BBの比較を述べられるなんてスゴイ!
両車に触れた事すらない私は、比較インプレッションなんて出来る訳ないのですが(汗)、両車のレイアウトから乗り味を想像は出来ます。
512BBは、本来なら重心を低く出来る180度V12エンジンでありながら、ミッションの上にエンジンをレイアウトする二階建て構造になる為、かなり重心が高くなっています。
また、高さのみならず、前後位置もミッドシップとは言いながらも、後ろ側のシリンダーは後車軸よりも後ろにあり、かなりリアヘビーな車となってしまっているのです。
対するカウンタックは、エンジンの前方にミッションを配置するため、エンジンに次ぐ重量のミッションが、ほぼ車体の中央にあり、単にミッドシップとするよりも理想的な重量配分となります。
カウンタックと言うとシザードアが一番の特徴と言えますが、私なんかだと、この一旦前方に出力を持っていくレイアウトが、ランボルギーニが得た一番の財産なのではないかと思います。
前述のエアボックスなどの付加物により、空力的にはリフトが目立つ車になってしまいますが、その頃は今ほど空力について研究されていなかったので、決定的な弱点とはなりませんでした。
「カウンタックは時代を象徴する“スーパーカーのシンボル”なんだ。前モデルのミウラは優美な曲線が女性的だったけど、カウンタックは直線的で男臭い。シザースドアもアグレッシブだしね。カウンタックの存在感はデビュー当時から色褪せることなく、今でも強烈なインパクトを保ち続けているのは凄いことだと思う」
池沢先生、うれしそう。
ミウラがランボルギーニと言うメーカーをメジャーな存在にしたのに対し、カウンタックは、スタイリングを始めとした、ランボルギーニの車の方向性を決定づけた車と言えるでしょうね。
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Lamborghini | 日記
Posted at
2019/07/28 22:40:01