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イイね!
2020年01月05日

タケラッタ的、カルロス・ゴーン考

タケラッタ的、カルロス・ゴーン考 今回の正月休みは、曜日の並びに恵まれた(?)為、9連休という大型連休となりました。(個人的には、長過ぎであり、且つ 第一週からフルの5日間勤務となる為、むしろ恵まれていないと思うのですが…)


そんな正月休みも、本日が最終日。


車ネタとして、ドライブに行きたいところだったのですが、午前中からアルコール摂取してしまった為、車の運転は出来ませんでした。


なので、この休み中に、クルマ業界に激震が走ったこのネタに触れます。







カルロス・ゴーン。


約2兆円もの有利子負債を抱え、倒産寸前まで追い詰められていた日産をV字回復させ、カリスマ経営者の名を欲しいままにしていた男。


しかし、個人的には稀代の経営者と言うよりも、コストカッターとして有能な男だったというのが私の印象です。


ミシュランで、BFグッドリッチ買収とその後のリストラを進めたことが評価され、ルノーに引き抜かれます。


ルノーは、元々国営企業であった事もあって高コスト体質であり、赤字が続いていました。


そこに、シュバイツァー会長からスカウトされたゴーンが、工場閉鎖など、不採算部門の閉鎖を大胆に進め、「コストカッター」「コストキラー」と呼ばれるようになります。


そして、当時の日産も 「901運動」で、技術は評価されつつも、高コスト体質となっており、ゴーンの「コストカッター」ぶりは、日産復活に無くてはならないものでした。


ただ、コストを切り詰めれば良い事は、ゴーンでなくても分かっていた筈ですが、日本人には、主力工場の村山工場を始め、複数の工場閉鎖など、多くの社員の解雇を伴う決断は、情が邪魔して出来なかったでしょう。


しかし、ゴーンはあくまでも非情でした。


冷徹とも言える決断は、既にルノー時代から行われてきていた為、労働組合側も予想していたのでしょうね。(多分、日本人経営者が同じことをやっても、労働組合側が反対してうまくいかなかったでしょう)








負債の圧縮に、ゴーンという劇薬はよく効きました。


しかし、日産のV字回復は、ゴーンの手腕と言うより、当時の北米市場の好景気に助けられたと言えます。(北米市場の好景気は、リーマンショックまで続いた)


そもそも、自動車の新モデル開発は数年を要する為、V字回復を支えた車たちは、ゴーン就任以前に計画されていた車たちでした。


ゴーンの手腕が見え始めた時、ハッキリと分かったのは利益をあげられる車を優先する事でした。


アルマーダのような、5.6ℓ V8を積んだフルサイズSUVであったり、同じエンジンを積むフルサイズピックアップトラックのタイタンなど、おおよそ日本にいては日産車と思えないような巨大な車を北米用に投入。



インフィニティブランドでも、QXやFXという V8エンジンを搭載したSUVを投入していたっけ。


他にも、パスファインダーやムラーノなど、北米重視の車種展開をみせ、一方では、ゴーンの地元のヨーロッパでは、ルノーとパーツを共用したマイクラやジューク、パルサーなどの欧州専用車種を展開。



しかし、この拡大路線が、今や利益を圧迫する要因となっています。


その一方で、御膝元の日本市場では、儲からないからとまともに新車を投入してきませんでした。


軽自動車と、コンパクトカーのノート、ミニバンのセレナ以外、開発するだけ無駄と言わんばかりの放置状態。


日産はどこの国の自動車会社なのですか?







また独自技術の放棄も甚だしかった。


今もトヨタの強さの源泉とも言える、グループ企業(DENSOやアイシンなど)の充実ぶりに対し、以前は日産も同じようにグループ会社で固めておりました。


しかし、コストカッターは、グループ会社を見捨て、自力で生きていくように伝えた一方で、日産本体は、コストカットに有効と見るや、トヨタ系の会社からも部品調達を始めます。(S15シルビアのMTがアイシン製など)



一次下請けとも言えるDENSO、アイシンや、組み立てを担当するトヨタ自動車東日本(旧 関東自動車工業)などは、実は新車の開発に参加しているのみならず、トヨタへ新車開発の逆提案も行っていたりもするのです。


日産、というか ゴーンはそこを切り捨ててしまったのです。


一時的にはコストダウンに貢献するかもしれませんが、技術の蓄積は出来なくなりました。(て言うか、トヨタグループの会社に蓄積されますな)








また、前出の通り、ルノーと車台の共通化を進めています。


車台やエンジンの共通化は、メルセデスも巻き込んでおり、一時期、スカイラインのエンジンはメルセデス製でした。


確かに、上記の施策はコストダウンには非常に有効であり、「コストカッター」ゴーンの考えそうなことです。


しかし、それでは日産車であらねばならない理由が無くなります。


事実、マイチェン前のスカイラインの販売台数は惨憺たるものでした。


自前の3.0ℓ V6 ターボ(VR30DTT)になり、販売が好転したのは、顧客がそこに日産らしさを感じたからでしょう。



ま、日産のエンブレムを付けたGクラスや、AMGのV8エンジンを積んだGT-Rが発売されたら、値段によっては魅力的かもしれませんね。







正直、ゴーンの逮捕容疑はピンと来ていません。


本人が全否定しているようですし、もし事実であったにしても、日産が直面していた有利子負債額 約2兆円に比べたら端金(はしたがね)です。


ゴーンの貢献度から考えて、それくらい目を瞑ってもいいんじゃね? と思いました。


ただ、日産に損害を与えたとしたら、そんな私利私欲の金の亡者で会社の金をネコババした事なんかより、上述の拡大路線の失敗、日本市場の放置、独自技術の放棄などに目に余るものがありました。


その上、ルノーに吸収合併されるとなれば、日産という会社の存在意義を失いかねない状況でしたので、今回のクーデターは起こるべくして起こったものと言えるでしょう。


私は、2014年頃から、さっさと後進に道を譲れと書いていたのですが聞き入れてもらえませんでした。(←え? 聞き入れる筈がないって?)






また、今回の逃亡劇には失望いたしました。


海外渡航は禁止されていましたし、この二人が同席していることも、裁判所は認めておりませんでした。



日本の所謂(いわゆる)人質司法がどうなのよ? と思わなくもありませんが、法治国家である日本の法を完全に無視しております。


個人的には、レバノンが日本への身柄引き渡しを拒否している男として、テルアビブ空港乱射事件を起こした日本赤軍メンバー・岡本公三受刑者を思い出します。


最早、私の中では、ゴーンは 26人を殺害した極悪人と同等になってしまいました。


カリスマ経営者も地に落ちたもんですね。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2020/01/06 00:00:08

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この記事へのコメント

2020年1月6日 7:21
(^・x・^)前回のブログのコメントの続きになるかもしれませんが
(^・x・^)結局、雇われ社長はそんな先の事なんか考えないんですよ!
(^・x・^)でもね、それがいけないことかというと1999年の日産を救った功績は間違いなく彼しか成し遂げられないものなわけで。

(^・x・^)「ビジョナリーカンパニー」なんかの経営書を読むと、「誰と仕事するか?」みたいなことが書いてありますが、彼の著書には「ロジカルに考えて正しいこと選択すれば、国籍や性別は関係ない」とあって対照的だったのを思い出します。(まあそれでも子飼いの部下を連れてきてたんでしょうけど)
(^・x・^)従って「情」と「実」では迷いなく後者を取って時には冷徹に構造改革に取り組み、それでいて必要な所にはキチンと投資もしていました。いすづからデザイナーを連れてきてデザインからクルマ造りを変えたのも賛否あるでしょうけど、僕は「賛」ですけどね。

(^・x・^)でもGT-RもフェアレディZも復活させてくれたし、確かに近年はロクな新車を投入してきませんでしたが、どうせSUVかエルグランドとかセレナみたいなくだらんミニバンとか軽自動車くらいしか売れないこんなマーケット、投資するだけ無駄ってもんでしょ(おいおいそんなこと言っていいのかw)

(^・x・^)でも、いつも言いますが自動車産業は水平分業でなくて垂直統合の産業なんでタテのつながりがすごい大事なんですよね。自動車は秋葉原行ってパーツ買い集めて作れるものなんかじゃない。何層ものレイヤーの会社で「すり合わせ」して一台の製品が開発され完成していく。

(^・x・^)なので先生おっしゃる通り日産も様々な系列の会社がありました。子供の頃、土曜の夜に「大江戸捜査網」とか「あっとランダム」とかの時間のCMに「世界の恋人」に乗せて流れるグループ各社の社名のテロップを見て
(^・x・^)日産もいろいろな会社を抱えているんだなあと思ったものです!「日本ラヂエーター」とか聞くと(今なんつーの?)
(^・x・^)如何にも日産の系列だなあという感じです(僕だけ?)
(^・x・^)コニーの愛知機械とかはサニー(チェリー)バネットなんか生産もしてましたよね。

(^・x・^)先生のおっしゃる通りそういう系列の良さやノウハウの共有みたいなものが無くなったのはこれはマイナスだったかもしれません。まあこれも時代の流れ、寧ろトヨタの系列だって危機感あるからこそ逆にトヨタに進言できるくらいの仕事ができるのかもしれません。
(^・x・^)日産は系列を解体する一方で、コアテクノロジーにより一層特化するための系列を再構築すべきだったかもですね。

(^・x・^)そう、なのでゴーンはカネが欲しければ取りたいだけ取れば良かったんですよ。世論に気兼ねせず有報にちゃーんと役員報酬を載せて「それだけの仕事をしたんだ!」と威張っても良かった。先生のおっしゃるとおり危機的状況を思えば大した金額ではない。それができていれば今頃レバノンに逃げることもしなくて済んだのに。僕も経営計画「日産180」(ガゼールの後継ではないw)が達成できていない2005年くらいに身を引いてルノーに戻るなりプロ経営者として転身すべきだったと思いますね。日本赤軍の岡本wね、法が裁けなくても大きなバチが当たると信じています。

(^・x・^)こんな賢い人でも欲にまみれて欲に溺れるんですね。
(^・x・^)僕も溺れてみたいwww
コメントへの返答
2020年1月6日 21:59
長いブログに、長いコメントを頂きましたが…、なんか にゃきおさんの考えは、私が考えている事と怖いくらい同じですね。
そう、日産は間違いなく、一度ゴーンによって救われています。
それは評価すべきです。
それだけに、グズグズになる前に辞めるべきでしたねー。

いすゞから中村史郎氏を引き抜いた件、デザイン重視と言う考え方は有りだと思います。
しかし、私としては、それ以前のS13シルビア、P10プリメーラ、Z32フェアレディZの方が優れたデザインだと思っています。
中村史郎氏の作品は、実用性に目を瞑ったSUVのビークロスや、いすゞの乗用車撤退を決定づけた3代目ジェミニなど、クセはあるが、万人受けしない(ジェミニに至っては敬遠された)車が多い。
前澤義雄氏のように、外部から引っ張って来なくても優れた人材はいたのにねぇ。

フェアレディZの復活はゴーンに感謝すべきですが、R35 GT-Rはやり過ぎたと思います。
もう、スカイラインGT-Rとは全く別の車になってしまいました。
それに14年間モデルチェンジ無しは、ちと厳しいですね。
いまだに性能はトップクラスでしょうが、この手の車は、富裕層が所有する喜びを得られないといけません。14年前から変わり映えしない車じゃ、富裕層の心に響かないでしょう。

>自動車は秋葉原行ってパーツ買い集めて作れるものなんかじゃない。
どうでしょう? バッテリーとモーターがあれば一先ず動く車を作れちゃうEVは、素人が(例えば大学の自動車部あたりでも)作れちゃうんじゃないですかねー。
もちろん、自然なドライブフィールだったり、エネルギー回生など、きちんと作ろうとしたらハードルはグッと上がりますけどね。

>「大江戸捜査網」
懐かしいっ!
有りましたねー。(笑)
>「日本ラヂエーター」(今なんつーの?)
カルソニックと言えば聞いたことがありますよね?
もっとも、今は完全に日産と切れてしまい、マレリ株式会社となっています。(“あの”マニエッティ・マレリです)

>コアテクノロジーにより一層特化するため
本来なら、EVのコアテクノロジーであるバッテリー技術を極めていくべきなのですが、レバノン人は「コストカット」を優先し、内製から外部調達に切り替えてしまいました。
(EVに一定の距離を置いているトヨタでも、全固体電池の開発をリードするなど、コアテクノロジーはしっかり押さえています)

権力が1人に集中するとロクなことがありません。
まるで、隣国の大統領のようですね。(任期を終えると、逮捕されたり自殺したりしてます)
まあ、厚顔無恥なゴーンさんは、自殺するようなことは無いでしょうがねー。

プロフィール

「@タケラッタ

健康を考えて(?) 店長オススメ『三浦野菜のサラダピッツァ』

思った以上に野菜たっぷりでした。

オーナー曰く「三浦スタイル」だそうな。(笑)」
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タケラッタです。 子供の頃からの夢、ポルシェを手にしただけでは飽き足らず、遂にロータスまで買ってしまいました。 実用性はないかもしれないけれど、運転する事自...
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