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2021年06月19日

ホンダ F1 第三期 (後編)

ホンダ F1 第三期 (後編) 昨日のブログで、色々と詰め込んでいたら思った以上に長くなっちゃったので、前/後編に分けました。


『第三期 F1のキーワードは、「オールホンダ」でした』とか書いておきながら、オールホンダになるまで辿り着けなかったし……。(汗)


で、後編の最初の一台も、まだ オールホンダではありません。(笑)





BAR 007(2005年)



前年度、フェラーリに次ぐ2位となったBAR、琢磨も表彰台を獲得するなど今季も期待できそうではありましたが、序盤にいきなり失速、第3戦を終えてノーポイントでした。

第4戦サンマリノGPで行った大幅なアップデートによって、ようやく速さを取り戻し、バトンが表彰台(3位)を獲得、琢磨も5位を得ます。

しかし、待っていたのは最悪の結果でした。

レース後の車検で最低重量違反となり(違反の確定は翌月)、サンマリノGPは失格、さらに スペインGPとモナコGPの2戦出場停止のペナルティまで受けてしまいました。

この違反裁定は、BARがルールのグレーゾーンをついていたという理由はあるものの、多分に政治的側面(FIAとGPMAの対立)から BARがスケープゴートにされた感じが否めません。(実際、レーススチュワードには認められていましたし)

結局、入賞は第10戦まで待たねばならなかった BARは、前年の2位から6位まで後退してしまいました。





ホンダ RA106(2006年)



タバコ広告の全面禁止の流れが回避できそうも無くなって来たため、チーム名(BAR:ブリティッシュ・アメリカン・レーシング)にもなっているブリティッシュ・アメリカン・タバコがチーム運営から撤退、BATの持っていた株式をホンダが購入し、遂にオールホンダとなりました。(ちなみに、この年のタバコ広告禁止は避けられたため、BATはメインスポンサーは続けました)

一方、ドライバーの契約問題(バトンはウィリアムズと2006年の契約を結んでいたが、ウィリアムズも戦績は低迷しており、バトンが一転して残留を希望した)も抱えていた為、バトンの移籍に備えてルーベンス・バリチェロと契約します。

結局、ウィリアムズへ違約金を払う事でバトンの残留が決まりますが、その結果、琢磨がチームを去る事になりました。


この年からレギュレーションが変更され、前年までの3.0ℓ V10エンジンから 2.4ℓ V8エンジンへと変わった F1。

ホンダ RA106は好不調の波がありましたが、第13戦ハンガリーGPにて遂にバトンが ホンダ F1 第三期としての初優勝を飾ります。

この時、バトンは「ホンダに残留して良かった」と思ったでしょうが……

ちなみに、ホンダに残れなかった琢磨は、鈴木亜久里が興したスーパーアグリから参戦しました。





ホンダ RA107(2007年)



アースカラーという、スポンサー契約を一切載せないボディカラーで話題となった車でしたが、車両コンセプトも空力をかなり攻めた、意欲的な車でした。

しかし、今シーズンはそのコンセプトをものに出来ずに低迷、シーズン大半をコンストラクターズ・ランキングでスーパーアグリの下に位置していたという体たらくでした。

残り2戦となった 第16戦中国GPでバトンが5位入賞して、何とか最終的にスーパーアグリを上回りましたが(ホンダ:6point[8位]、スーパーアグリ:4point[9位]) 車の評価は完全な失敗作、そのボディカラーから「ホンダの車には“カビが生えている”」とまで揶揄されました。

しかし、そのコンセプトは2年後に花開く事になるのです。





ホンダ RA108(2008年)



2007年11月、ホンダはベネトン・フェラーリでシューマッハ黄金時代を築いたロス・ブラウンをチームプリンシパル兼チーム代表として招聘します。

ホンダ RA108は、前年の空力を攻め過ぎた RA107の反省から、一転して保守的な車となったものの、性能的には満足したものにはならず、「ダンボウイング」や「エレファントイヤー」「シャークフィン」といった後付けパーツを これでもかとばかり装着しますが、成績は向上せず。

チーム代表となったロス・ブラウンは、チームの開発リソースを来季用のR109に振り分けた為、事実上 RA108のアップデートはストップ。

その結果、コンストラクターズランキングは9位まで落ちました。(下には、ノーポイントのフォースインディア、シーズン途中で撤退したスーパーアグリ だけ)





参戦中のマシンのアップデートを止めてまで、2009年用のマシン開発に開発リソースを集中させたホンダ。


F1チーム側は2009年を勝負の年と考えていましたが、ホンダ本社側は全く違う事を考えていました。


「リーマン・ショックによる業績の悪化のため、経営資源を再分配する必要がある」


こう言って、2008年を以てF1を撤退する事を発表したのでした。






【番外編】ブラウン ブラウン BGP001(2009年)



参戦中のマシンのアップデートを止めてまで、今季のマシン開発に集中したホンダでしたが、ホンダ本社のF1撤退の決断により RA109として戦う事は叶わなくなりました。

ロス・ブラウンとしては、RA109に手応えを感じており、何とか参戦する道を模索。

ホンダから RA109の知的財産権やら イギリスのHRDの施設やらを1ポンドで譲り受け、自らの名を付けたブラウンGPを設立。

RA109となる筈だったマシンを BGP001 として走らせることとなったのです。

BGP001は、シーズン前半を圧倒的な速さでポイントを量産、事実上シーズン中のアップデートが出来ないチーム事情はありましたが、前半戦の貯金がモノを言って2009年のコンストラクターズ&ドライバーズのダブルタイトルを、参戦初年度の新チームが獲得したのでした。

ホンダが逃した魚は、大き過ぎました。(巨大カジキ並み?)


なお、このマシン、失敗作となった RA108 から一転、同じく失敗作と言われた RA107 のコンセプトで作られた車と言われています。

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Posted at 2021/06/19 15:57:04

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この記事へのコメント

2021年6月20日 10:49
個人的には、2006年頃からのホンダ本社の判断力に疑問が浮かびます。
琢磨の放出、早すぎるF1からの撤退決定。
もう少し様子を見てからであれば、ドライバー&コンストラクターのダブル・チャンピオン。
そして、日本人初の優勝…もしかするとチャンピオン。
レース活動だけでなく、市販車の方も。
今年の大決断も、ギャンブル性が高いような…
(でも、スーパーアグリF1には、熱くさせられました。私的に、最もF1に熱狂した時代です。)
コメントへの返答
2021年6月20日 19:27
まぁ、モータースポーツファンとしては色々と言いたい事はありますよね。
とは言え、当時の経済状況を考えると、撤退の判断は致し方ないとは思います。
ただ、そこに至るまでのホンダの対応が不味過ぎます。
2006年あたりから、ホンダが投じた資金は、恐らくどのチームより上だった筈。(スーパーアグリは支援しきれませんでしたが、それでもかなりの金額は注ぎ込んだ筈)
そんな事をしていれば、社内のF1反対派の意見を抑え込める筈がありません。
それでも結果が出ていれば、何とかなっていたかもしれませんが…

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「@タケラッタ
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