
最近、自動車部品メーカーのマレリがニュースになっていますね。
自動車部品メーカー大手のマレリホールディングス(HD)が、業績不振を理由に取引先金融機関と私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の申請に向けて調整に入ったことが明らかになった。
収益力が低い中で、主力納入先である日産自動車の自動車生産台数の減少が業績を直撃、債務超過に陥る可能性もある。
だそうです。
別のニュース記事では、
“主要取引先の日産自動車や大手金融機関に支援を要請している”と書いてある記事もありました。
日産の生産台数減は、昨今のコロナ禍が関係しているとも言えますが、それ以前から だいぶ業績を落としていて、日産自体が支援を必要としてるんじゃね? って感じもしますがね。(汗)
ところで、皆さんは
マレリ って会社をご存じでしたでしょうか?
そこそこ年配の欧州車好きの方なら、
“マニエッティ・マレリ” という会社をご存じの方も多いと思います。
イタリアの電装系部品の大手メーカーであり、ドイツのボッシュや 日本のデンソーと並ぶ最王手のメーカーでした。
アルファロメオ等に搭載されたセミオートマチックトランスミッションの
「セレスピード」もマニエッティ・マレリの製品ですし、フェラーリの
「F1マチック」を供給していたのも、このメーカーでした。
また、モータースポーツシーンでも頻繁に出て来るブランドでもあり、当時のフェラーリのF1マシンにも、マニエッティ・マレリのロゴが見られました。
そんなメーカーの主力納入先が日産? 日産自動車に支援を要請するの? って思いませんでしたか?
実は、マレリ という名前ではありますが、実際には日産系の
カルソニックカンセイが
マニエッティ・マレリを約7200億円で買収し、経営統合して 2019年に誕生したのが現在の
マレリなのです。
カルソニックと言われれば、日産系だって分かりますよねっ!
実際、以前は資本関係も存在していた、純然たる日産系列の部品メーカーだったのですが……
この人が、三菱自動車を手中に収める為の原資を得る為に、カルソニックカンセイ株を売却してしまいました。
“コストカッター”の ゴーンは、ケイレツがコストを下げる際のネックになると考え、系列を解体してしまいましたが、一方でトヨタは系列内に
“デンソー”や
“アイシン”などの優れた技術を持つ部品サプライヤーを持つことが強みになっています。
果たして、どちらが良かったのでしょうか?
日産リバイバルプランで容赦なく系列メーカーを切り捨てたゴーンでしたが、カルソニックカンセイを含む優良4社は手元に置いていました。
しかし、拡大路線を敷く為の三菱自動車購入の原資にする為、カルソニックカンセイ株を売却。
拡大路線は失敗し、今は 余剰な生産能力が負担になっている 日産、三菱共々、リストラを進めている最中です。
昨今の電動車需要の増大で、身内に電装系のメガサプライヤーを抱えていれば武器になった筈なのですが……
カルソニックカンセイ改め マレリ側からの視点で見ると、日産系列から離れた為 他社との取引もし易くなった筈なのですが、そこには マレリ以上の 業界トップのメガサプライヤー
デンソーがいます。
取引先は拡げられず、取引先は相変わらず日産が中心、その一方で、系列から離れた日産からは、業界一厳しいコスト低減要求があり、マレリの利益が削られます。
それでも販売台数が見込めれば良いのですが、肝心の日産(&三菱)の業績が低迷。
結局、この人の判断ミスが全ての原因ですかね?
カルソニック や (マニエッティ・)マレリは、私らオッサンにとってはビッグネームなのです。
それだけに、今、マレリが置かれている状況が残念でなりません。
出来れば、そんな残念な状況下に 日産そのものが陥らないでほしいものですがねぇ。
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Posted at
2022/02/18 01:28:11