
昨日のブログで、ネタとして使った
ランチア・イプシロン。
この車が登場した時、最初にこのフロントマスクを見た時の感想は、
「うわー、なんて不格好な顔をしてるんだ…」でした。
でも、昨日 改めて実車を間近で見たら、結構拘ってデザインされているんだなぁ と思いました。
フロントフェンダーはヘッドライトの幅まで回り込ませてるし……
センターモールのラインは 単なる一直線ではなく、ルーフやベルトラインとの関係性を持たせつつ 弧を描いていたり……
ドアノブも、ブラックのセンターピラーに隠すように配置しています。
リアハッチのラインも、ブレーキランプに浸食される事なく、きれいなラインを描いてますね。
内装も、ただ単に真ん中にメーターを持ってきましたっていうセンターメータではない
今まで見たセンターメーターレイアウトの中で、一番オシャレな感じがします。
まぁ、だったら、お前は このデザインの車を買えるのか? と聞かれたら買わないですがね。(爆)
車のデザインなんていうのは、万人に気に入られる必要は無いと思います。
100人居て、その内90人が嫌いだといっても、残りの10人が「このデザイン、サイコー!」と思ってくれればいいんですヨ。
もし、100人が納得してくれるデザインを用意しても、100人全員が買ってくれる訳じゃないですからね。
100人中 90人にそっぽを向かれても、10人が購入に至ってくれた方がうれしいでしょう。(市場のシェアを考えれば、100人中1人だっていい筈)
つまり、大部分の人には「奇抜なデザイン」として見られても、一部の人に「個性的なデザイン」と思われれば成功なんです。
まぁ、100人中100人にそっぽを向かれちゃったらダメですがね。(爆)
ただ、その割切りっていうのは難しいんでしょうね。
イタリアには個性的なデザインの車が多いのですが、その中でも筆頭と言えるのが この車です。
フィアット・ムルティプラ
車体サイズの割に小さなヘッドライト(ロービーム)だけでも十分に個性的ですが、段差のあるボンネットに、その段差に組み込まれたハイビーム等は、他に類を見ないデザインです。
また その段差の下側から繋がるベルトラインは、車高の割に低くて、大きなガラス面はまるで金魚鉢の様です。
個性の塊の様なムルティプラですが、フィアットは “個性が強過ぎ”て敬遠されている、“あくの少ない”デザインにすればもっと売れる、と考えた様です。
ビッグマイナーが実施された ムルティプラ は、当時のプント(二代目の後期モデル)に似たマスクに変わりました。
でも……
敬遠するようなデザインではなくなりましたが、正直、完全に没個性化しましたよねぇ。
万人受けするデザインで大ヒット すれば良かったのですが、「この車じゃなきゃ!」というセールスポイントを失ってしまっただけの様な気がします。
フィアット・ムルティプラは 2010年に、後継モデルが出る事もなく、生産を終えました。
まぁ、個性的なマスクのまま生産を続けていれば後継モデルが出たかと言われれば、そう簡単ではなかったと思いますがね。
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Posted at
2022/06/19 22:35:18