
なんか最近、ブログタイトルが長くなっていますが、調子に乗って今回も長いタイトルにしてしまいました。(笑)
長いタイトルって…ラノベじゃないんだから。(汗)
月曜日にリバイバルカフェで目撃した車、
アルファロメオ 164。
この車は、アルファロメオが深刻な経営危機のさなかに開発がスタートした車でした。
当初は後輪駆動で計画されていたものの、悪化する経営状態から独自モデルの開発を諦めざるを得ず、フィアット系4社による共同開発
「ティーポ4プロジェクト」による前輪駆動車に変更されたのです。
アルファロメオ 164 (1987-1998年)
アルファロメオがフィアットに買収された翌年の1987年に発表された車で、前述の共同開発「ティーポ4プロジェクト」の中の一台となります。
「ティーポ4プロジェクト」の車としては、164の他には ランチア・テーマ、フィアット・クロマ、そして サーブ9000がありました。
ランチア・テーマ (1984-1994年)
フィアット・クロマ (1985-1996年)
サーブ9000 (1984-1998年)
「ティーポ4プロジェクト」自体はアルファロメオがフィアット傘下に入る1986年よりも前から共同開発が行われていて、実際、アルファロメオ164以外の車は1984年から発売されていました。(クロマは1985年ですが…)
アルファロメオ164の発売が遅れた理由は、計画への参画の遅れもあったかもしれませんが、それ以上に 164だけ独自路線である事が大きいと思います。
如実なのがスタイリングです。
テーマ、クロマ、サーブ9000のデザインは
ジウジアーロが担当していますが、164のみ
ピニンファリーナが担当しています。
他の3車が共通のプレスドアなのに対し、164だけ違う形状をしています。
もちろん、ドアだけではなく、全体のプロポーションも異なりますし、何と言ってもデザインテイストが、クリーンな面で構成されたジウジアーロに対して、164はエッジの効いたデザインになっています。
特に、彫刻刀で削り取ったようなキャラクターラインなどは、後のアルファロメオ・スパイダーと共通なイメージで、いかにも
エンリコ・フミア といった感じですね。
さて、何故に ここまで
アルファロメオ 164 について熱く語っているかというと、20歳前後の頃に
「ティーポ4プロジェクト」の車に憧れていたからなのです。
まぁ、憧れていたのは
ランチア・テーマの方なのですが…。(汗)
ランチア・テーマに憧れた理由というのが前述のプレスドアを採用したスタイリングです。
当時の国産車にプレスドアを採用した車が少なく、とても高級な車に見えました。(テーマと同じジウジアーロ作のピアッツァなどはありましたが、セダンには採用例が少なかった)
街中で見掛けた紺色のランチア・テーマの高級感に「いいなぁ」と思ったのですよ。
今、改めて写真で見てみるとそれほど高級には見えない(むしろ、いすゞ ジェミニに見えなくもない)のですが、当時は一番かっこいいセダンと思っていました。
もちろん、その当時のタケラッタ青年は社会人二年目のフツーのサラリーマンでしたので、
外車なんて買える筈もありません。
それでも、当時 数少ないプレスドアを採用したセダンである
ホンダ・アコードが、外装色に紺色(フローレンスブルーメタリック)を選べばランチア・テーマに似ている気がして、初めて自分で稼いだ給料で買う愛車として選びました。
(当時の写真が無いので、上記の写真はネットでの拾い物です)
こちらも、今 改めて写真で見てみると、テーマとは似ても似つかない車ですが…。(汗)
さて、
ランチア・テーマに憧れていた当時、同じ「ティーポ4プロジェクト」の
アルファロメオ 164について、どう思っていたかというと…
正直、ビミョーでした。(汗)
その当時のアルファロメオの印象はというと、
「走りのFR車」であると同時に
「時代遅れな車」というイメージだったのですよ。(アルファスッド系のFFはありましたが…)
それが、いきなりフラッグシップモデルのFF化ですからね。
しかも、テーマ や クロマ などと(見た目に関しては)共通な部分が無いのですから、
「独自路線で行くならFRで良かったんじゃね?」と思ってしまいました。
また、スタイリングは前述の通り「彫刻刀で削り取ったようなキャラクターライン」を始めとするカクカク系で、当時 提携していた日産車(トラッド サニーなど)を思わせるものでしたし。(要は、時代遅れなデザインに感じた)
さらに、リアビューは横一文字のコンビネーションランプが、とある車を連想させて…
コッチも、今 改めて写真で見てみると、全然似てないねぇ…。(汗)
164登場時は
「アルファロメオはFRじゃなきゃ!」と思ったものですが、その後のアルファは、155、156とFF車中心のラインナップとなりました。
アルファロメオ 155 (1992-1997年)
アルファロメオ 156 (1997-2007年)
FRへの拘りも薄れ、カクカクなデザインも、年月を経ると却って新鮮に見える様になりました。
最新のジュリアと並べても、決して引けを取らないデザインだと思います。
その一方で、ジウジアーロがデザインした、当時の最先端のデザインだと思われたランチア・テーマは、40年の時を経ると、いすゞジェミニの様に見えて…
そうそう、エンリコ・フミア と ジウジアーロ で言えば、新旧のアルファロメオ・スパイダー も、この2人ですね。
アルファロメオ・スパイダー 916 (1994-2006年)
アルファロメオ・スパイダー 939 (2006-2010年)
916が出た時、4連プロジェクターヘッドライトが
「ホンダのインテグラみたいでカッコ悪いっ!」って思ったものです。(汗)
それに対して、939が出た時は、ブレラという新しいクーペの提案があったり「さすがはジウジアーロ」と思ったのですが…
今、どちらのスパイダーが好きかと問われたら、迷う事無く「916の方が好き!」と答えます。
車のスタイリングって、奥が深いですねぇ。(汗)
939世代になるとコスト削減が目立つ様になってきたので、後の世まで魅力を感じさせる事が出来ないのかもしれません。
もちろん「ティーポ4プロジェクト」も開発コスト削減の為に4社共同開発したのですが、他の3車と比べて独自のスタイリングを採用した164の方が魅力を感じられるのかも。
また、理詰めな
ジウジアーロより、官能的なデザインを採用した
エンリコ・フミア という図式にもなっているのかもしれません。
そんな訳で、昔は
ジウジアーロ がデザインした ランチア・テーマに憧れた若造が、40年後の今は
エンリコ・フミア がデザインした アルファロメオ164 が気になっているのでした。
追伸:
タイトルも長かったが、ブログ本文も長かった。(汗)