
予告した通り、本日から フェラーリとランボルギーニ 2社のモデルの変遷を取り上げます。
どういう風に進めようか、ちょっと悩みました。
両社のモデルの変遷を一気に紹介するか?
それとも、各モデルに絞って、詳しく紹介するか?(例えば、テスタロッサ系を512TR → F512M という変遷まで取り上げるか)
ただ、今回のシリーズをリクエストした方が、『フェラーリだと355、ランボルギーニだとディアブロくらいで知識が止まってる』と仰っているので、ここは流れが分かるように、一気に紹介するのが良かろうと判断しました。
そんな訳で、ランボルギーニ編のスタートです!
ランボルギーニ・ミウラ(1966年~1973年)
フェラーリのような車を目指して自動車メーカーを興したフェルッチオ・ランボルギーニでしたが、さすがに何の実績もない新興メーカーには、フェラーリのライバルとはなり得ずにいました。
そんな状態を一気に変えるモデルが、ランボルギーニ・ミウラでした。
1965年11月、トリノ・ショーにボディが架装されていないベアシャーシが展示されました。
当時のロードカーはFRが一般的で、ミッドシップ車はルネ・ボネ・ジェット(仏)が有った程度。
そんな時代に、V12をミッドに搭載する車なんて、レーシングカーくらいしか考えられませんでした。(当時は、まだ『ミウラ』という名前もついていなかった)
しかし、翌1966年、ジュネーブ・ショーに流麗なボディを纏ったミウラが登場するとたちまち大評判となり、世界中の富豪たちから注文が殺到したのでした。
その後、ミウラをベースとする、未だに全容は謎に満ちたミステリアスな車、
イオタも製造されました。
写真は、イオタそのものではなく、イオタを模したファクトリー製レプリカの中でも、特に有名なミウラSVR。
ランボルギーニ・カウンタック(1974年~1990年)
ミウラで確固たる地位を得たランボルギーニは、ミウラの後継を探ります。
ミウラ程の大成功を収めたモデルの後継となれば、キープコンセプトで行くのが普通だと思いますが、ランボルギーニが選んだのは、全く違うタイプの車でした。
いや、それまでの“車”というものの常識から逸脱したクルマ、それがカウンタックなのです。
何しろ、“カウンタック”という車名が、イタリア北西部ピエモンテ地方の方言で驚きを表す感嘆符“contacc”から来ているのですから。(一般的にランボルギーニは、車名に闘牛にちなんだ名前を付けますので、カウンタックと言う名前の特別性が分かろうというもの)
当時、日本はスーパーカー・ブームの真っただ中で、ドアが上に開くというギミックもあり、カウンタックは子供たちのヒーローになりましたが、世界的にもカウンタックは大成功を収め、その後のランボルギーニのデザインテイストは、このカウンタックがベースになっています。
なお、ミウラとカウンタック、曲線と直線、流麗と斬新、相反する言葉が似合う両車ですが、デザイナーはどちらも マルチェロ・ガンディーニ(ベルトーネ)と言うのが、にわかには信じられません。(汗)
カウンタックに関しては、以前にもブログの話題にした事があります。
こちらの記事も宜しかったら読んでみてください。
ランボルギーニ・ディアブロ(1990年~2001年)
1974年から1990年まで、17年に渡って作られたカウンタックに変わるモデルは、完全にキープコンセプトでした。
既にカウンタックは単なるモデルのイメージを越えた、コーポレートイメージと言って良いものだった為、キープコンセプトを選ぶことは悩む事など無かった筈です。
しかし、開発には紆余曲折がありました。
当時、ランボルギーニはクライスラー(現在はフィアット・クライスラー)の傘下にあり、マルチェロ・ガンディーニの手によるプロトタイプに、あろうことかクライスラーのデザイナーが
捏ね繰り回し手を加えた為、マルチェロ・ガンディーニが怒り、「デザイナーとして名前は出せない」と揉めたりしました。
なお、ディアブロから4WDモデルが加わります。
ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001年~2010年)
ムルシエラゴは、ランボルギーニがアウディ傘下に入った後に発売された車という事もあり、大幅に信頼性が上がりました。
ただ、ガヤルドに比べると、アウディの影響の少ないモデルとなっています。
まあ、アウディにV12エンジンは無いし、影響を受けようがない部分も多々ありますからね。(笑)
潤滑方式をドライサンプにすることによって、エンジンの搭載位置を50mm下げているものの、相変わらず後方視界は絶望的です。(笑)
あ、そうそう、ムルシエラゴからは全車4WDとなりました。
ムルシエラゴをベースにした少量生産モデル、
レヴェントン(2007年)も登場しました。
フェラーリがF40から始まったスペチアーレ・フェラーリを生産するのに対し、ランボルギーニは少量生産モデルで、特別な顧客の欲求を満たす道を模索し始めたのでした。
ランボルギーニ・アヴェンタドール(2011年~)
現行車であるアヴェンタドール。
アヴェンタドールSVJでは、6.5ℓ V12エンジンから770psを絞り出すまでに至りました。
この車から、タケラッタの大好きなMTが無くなってしまいました。(T-T)
まあ、ラインナップされていても買えやしないのですが。
この世代でも、少量生産モデル、
チェンテナリオ(2016年)が生産されています。
フェラーリがV12モデルをFRに回帰させたのに対して、ランボルギーニは一貫してミッドシップに拘っています。
拘りと言う意味では、ターボに頼らず、NAに拘っているメーカーでもあります。
そんなランボルギーニでも『環境』とは無縁ではいられないのか、初のハイブリッドカーの
シアンを今年のフランクフルト・ショーで公開しました。
ランボルギーニも電動化の波には逆らえないようです。
それでも、V12エンジンに拘っているところは、さすがランボルギーニと言ったところでしょうか。
長くなったので、V12 ミッドシップ以外のランボルギーニ車は、また別の機会に……。
―つづく―