
自動車メーカー、そして 自動車市場が成熟していくと スポーツカーが生まれます。
生産台数的にはホンダを超えたヒュンダイが、今だにスポーツカーを作っていないのは、まだ韓国市場が成熟していないからなのかもしれません。(まー、BMWの“M”を真似て 高性能ブランド “N” を始めましたがね)
かつての日本も同様で、各メーカーはまずはセダン、もしくは トラックから開発し、十分な技術や資金的な余裕が出来てからスポーツカー作りを始めました。
まー、一部例外はありますけど……
今回テーマにしているトヨタはというと、スポーツカー作りに慎重なメーカーでした。
前述のホンダは異例過ぎますが(笑)、ライバルの日産にはオープン2シーターのフェアレディがありました。
(フェアレディのルーツとなるダットサン・スポーツ1000は 1959年から生産されていました)
そんな訳で、スポーツカーはトヨタの数少ない弱点でした。
トヨタも、ようやく1965年にパブリカをベースに トヨタ スポーツ800 を発表。
(もっとも、ヨタハチは前回のブログで紹介した長谷川龍雄さんがパブリカのパーツを使って 半は趣味で開発した車であり、市販予定など無かったのですが、ショーに出したら大評判になっちゃったので販売する事になったんですが…)
1967年には、本格的なGTスポーツカーのトヨタ2000GTが発売されました。
トヨタ2000GTに関しては、ヤマハとの共同開発という事もあって、
ヤマハが日産と共同開発していた「A550X」がベースになっているっていう話をよく聞きますが、これは事実ではありません。
トヨタ2000GTの開発は、ヤマハとの提携以前にトヨタ側で既に始まっており、身内の関東自工での生産が難しそうという事からヤマハとの提携に至ったのでした。
この2台が並ぶと絵になりますね。
このままだとブログタイトルに辿り着きそうもないので、先を急ぎます。(汗)
トヨタは、2000GTで提携したヤマハとの関係を生かしてDOHCエンジンを投入し、スポーツグレード“GT”を展開していきます。
トヨタ1600GT、マークⅡ GSS(←GTじゃないじゃん!)
そして、1970年には日本車初のスペシャリティカー セリカを発表するなど、スポーツ色の強い車たちを増やしていったのです。(セリカの主査も 長谷川龍雄さんです)
私は セリカLBが大好きでした♪
しかし、そんなスポーティな車たちは、排ガス規制やオイルショックによって存亡の危機に直面する事になります。(ちなみに、本来なら「存亡」のように正反対の語が並ぶ場合は “危ぶまれる”という言葉が続くのは正しくなく、『存亡の機』とすべき……って何の話だっけ?💦)
各メーカー、スポーティグレードは廃止、若しくはパワーダウンを余儀なくされました。
トヨタでも、レビン/トレノがカタログから落ち、18R-G+ソレックスツインで 145psを誇ったセリカ2000GTも、排ガス対策後は130psまでパワーダウンしました。(あと、衝撃吸収バンパーになっちゃったのも悲しかったなぁ)
それでも、トヨタはDOHCエンジンを作り続けたのです。
一時期、カタログから消えたレビン/トレノも、EFI化して復活します。
なお、この時期のレビン/トレノは かなりややこしい車種体系になってます。
レビンは、前期はセダン顔のハードトップ(TE37)でしたが…
後期はクーペ(TE51)に変更されました。
一方、トレノは 前期(TE47)・後期(TE61)ともにクーペでした。
なお、後期モデルは、対応した排出ガス規制により、前述のTE51/TE61(51年規制対応)とTE55/TE65(53年規制対応)に分かれます。(ああ、ややこしい)
ちなみに、カローラ・スプリンターシリーズには、クーペ顔のリフトバックもありましたが、DOHCエンジンを積んでも単に“GT”と呼ばれるだけで、レビン/トレノを名乗る事はありませんでした。
うーん、レビン/トレノ物語になってしまいそうだ。(汗)
この頃って、ちょうどスーパーカーブームと重なるので、車に興味を持ち始めた頃にスポーティな車を残してくれたトヨタって結構好きだったんですよね。
対する日産車のイメージは、その頃は単なる6気筒エンジンを積んでるだけの車(←失礼💦)でしかなかった。
確か、スカイラインは GTでも120psくらいだったんじゃないかなー。(EGI化して ようやく130psってとこ)
ハコスカの伝説をリアルに知らないガキンチョは、「スカイラインなんて名前ばかりで大した事ないじゃん!」って思っていたのですよ。
でも、まさかトヨタさんまで CMで堂々と言っちゃうとは思いませんでしたけどね。(汗)
トヨタは今でもスポーツカーをラインナップしてくれています。
GR 86
GR スープラ
しかし、86はSUBARU、スープラはBMWと 共同開発とは言いつつも、コンポーネンツは提携相手のメーカーのもので、実質的にはOEMモデル……現在においても スポーツカーはトヨタの数少ない弱点って事なんですかね。
Posted at 2021/10/25 22:03:02 | |
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