
今日、関東は久しぶりに晴れ渡りました。
今までのぐずついた天候の分を取り戻すかのような、雲ひとつない青空、済み切った空気のお蔭で、富士山がくっきりと見えました。
「ああ、箱根に走りに行きてぇなぁ」
そう思いましたが、本日は病院に定期健診に行く日……何でこんな日に限って、こんないい天気になるんや!
そんな訳で、車を使ったのは病院から戻ってきてから買い出しに行ったくらいなので、ブログのネタにはなりません。
そこで、ちょっとモータースポーツ関係の事を書いてみます。
ここ数年、自動車メーカーがモータースポーツから撤退する話が続いています。
WECでは、LMP1からアウディ、ポルシェが撤退、GTEでもBMW、フォードが撤退しました。
WRCでもVW、そして今季限りでシトロエンも撤退します。
F1でもルノーの参戦継続が危ぶまれ、そのルノーから マクラーレンがメルセデスにエンジンをスイッチする事を発表した事で、メルセデスがワークス参戦からエンジン供給のみに縮小するのではなんて噂があります。
そんな中、ホンダが2021年もレッドブル、トロロッソにエンジンを供給を継続する事を決めたのは、ホッとできるニュースでした。
そのホンダにしても、今回発表したのは2021年のみの延長であり、2022年以降は継続して協議中としています。
何故、各メーカーは、こうまでモータースポーツに慎重だったり、消極的になってしまったのか?
1つには、自動車業界が100年に1度の変革期にある事が理由と言えます。
自動車業界に興味がある人なら『CASE』という言葉を聞いたことがあるかと思います。
CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared&Services(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった用語です。
これらの開発には莫大な費用が必要で、単独のメーカーでは負担が大き過ぎて、現在、業界では、提携や経営統合の話が進んでいるほどです。
そんな中で、モータースポーツなどに掛ける予算は無いというのが実情なのでしょう。(唯一の例外が電動化が絡むフォーミュラEへの参戦)
もう1つの影響には、モータースポーツに欠かせないスポンサー企業も減っている事が言えます。
かつてはモータースポーツのスポンサーと言えばタバコ、金融、アルコールでした。
タバコは、マールボロ、ロスマンズ、キャメル、ラッキーストライク、555、JPSとちょっと年配のモータースポーツ好きならいくらでも挙げられるくらいメインスポンサーとして車体を飾っていましたが、2006年を以って消滅しました。
(現在、模型などでは「Marlboro」のロゴは入れられなくなっています)
金融もサンタンデール、INGなどがありましたが、リーマンショックを境に姿を消しました。
(前述の企業の直接的な理由は、アロンソの所属チームの低迷や、ルノーのクラッシュゲートですけど…)
アルコールと言って有名なのは何と言ってもマルティニがあります。
近年はウィリアムズのスポンサーでしたし、昔からのポルシェファンなら、ポルシェのスポンサー=マルティニでしょう。
(今は、ポルシェのスポンサーはしていませんが、ポルシェがマルティニのカラーリングを使用できる契約を結んでいる為、全国のポルシェセンターでポルシェグッズとしてマルティニのカラーリングの入ったグッズを購入できます)
このアルコール飲料メーカーにも、タバコと同じ理由で広告を禁止しようという動きが以前から燻っています。
今は、レッドブルを筆頭にエナジー飲料がスポンサーをしてくれていますが、当然、レッドブルのライバルチームにレッドブルがスポンサードしてくれる筈は無いし、ハースのリッチエナジーのような問題ありの企業もあります。
かつて、自動車メーカーには、現在のCASE以上に、死活問題とも言えるような開発テーマ、「オイルショックによる燃費」と「排ガス規制対策」というものがあり、一時期メーカー系チームがモータースポーツ(特にF1)を離れた時期がありました。
その際は、フォードの名を冠したコスワースのDFVエンジンと、プライベーター系チームによりレースは続きました。
その時は何もかもが手探り状態(言い換えれば経験)での開発を行っていて、新興プライベーターチーム(ウィリアムズ、ベネトン等)でも戦闘力のあるマシンを作ることが出来ました。
しかし、現在はスーパーコンピューターや風洞施設など、金を掛ければ掛けるだけ結果が出る(逆に言えば金を掛けなければ勝てない)環境にあります。
際限のない開発競争と、限りがある開発資金となるメーカーの原資。
このバランスが崩れた時、『撤退』の2文字が現れます。
『そして誰もいなくなった』
こうならなければいいのですが……。
Posted at 2019/12/01 03:35:58 | |
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