• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

タケラッタのブログ一覧

2022年02月04日 イイね!

ポルシェ物語 「最後の空冷」

ポルシェ物語 「最後の空冷」ポルシェについて色々と書いていますが、そこにだいぶオタクなネタが入っているであろう事は認識しています。


ポルシェについて、もっと知って頂きたいという思いがあっての事なのですが、ちょっとついて行けてないと感じる人はいらっしゃいますかね?


え? ポルシェって 数字ばかりで 良く分からない?


まー、確かに数字なんて意味がある訳でもないし、知らない人からすれば 記号でしかないですからね。


特に 911なんて、車名自体が数字であるところに加えて、世代を示す開発コードまで同じような3桁の数字ですからね。


911の世代は、旧い順に 以下の様になっています。


901、930、964、993、996、997、991、992


で、本日のブログは 4代目の 993 についてです。





昨日のブログでも書きましたが、ポルシェファンは ポルシェの車に対して 初代911である 901(ナロー)からの伝統的な “空冷エンジン ”、“水平対向6気筒”、“RRレイアウト”である事を求め、スタイリングも 一目で911と分かるものを求めていました。


それ故、964 では 80%が新規パーツとなっているにも拘らず、見た目の印象が ほぼ 901のままというモデルチェンジとなっていたのです。


しかし、993へと変わる時、初めて見た目を変えるモデルチェンジを行う事になったのでした。





ポルシェ911(993型)
alt

1993年に登場した993型991は、全体的なフォルムは今までの911を踏襲しながらも、フロントのヘッドライトを寝かせ、そのライトから続くフェンダーの峰も低く整形された事で、だいぶ印象が変わりました。


同様にリアの造形もなだらかなラインに変更されました。




もちろん、変更されたのはスタイリングだけではありません。


エンジン形式こそ 964と同じ3.6ℓ空冷 水平対向6気筒を踏襲していますが、排気系が等長となった事で出力は272psまで向上しました。(後期は可変吸気機構「バリオラム」の採用で285psまでアップしています)


しかし、メカニズムの変更点は、メインはエンジンでありませんでした。


トランスミッションがMTは5速から6速に変更され、足回りはリアがセミトレーリングアームからマルチリンク式サスペンションに変更されています。


私も、964を買う時に 993とどっちにしようかと悩んだ時に、993の魅力は 6MTとマルチリンクのサスでした。(ただ、やはり “より911らしい”のは、フェンダーの峰が立っている964の方だったので、964を選びましたけど)





タケラッタ的に 993のトピックスとして挙げておかねばならないのは、GT2の登場です。



以前、「歴代GT2」というブログも書きましたが、1995年に993GT2が登場。


それまでのポルシェのスペシャルモデルにはRS(レンシュポルト)の名が与えられており、993GT2の登場は 初のGT2というだけではなく、その後のスペシャルモデル GT3、GT4の先駆けでもあったのです。





ポルシェは、993を最後に空冷エンジン搭載車の生産を終了、全ラインナップを水冷エンジンへ変更しました。


ポルシェに関する有名なフレーズに「最新のポルシェが最良のポルシェ」というものがあります。


2022年となった現在も絶え間なく開発が進んでいる911。


しかし、空冷ポルシェに関しては、開発が終了している為、“空冷の最新”は“最後の空冷”である993なのです。


“最良の空冷ポルシェ”、それが 993型911なのです。


(それでも私は964が好き!)




-つづく-
Posted at 2022/02/05 03:08:53 | コメント(2) | トラックバック(0) | Porsche | 日記
2022年02月03日 イイね!

ポルシェ物語 「911のモデルチェンジ」

ポルシェ物語 「911のモデルチェンジ」ポルシェ911。


今なお現行モデルとして生産されている車ではありますが、初代(901)の 生産車が登場したのは1964年であり、その歴史は 既に半世紀を優に超えています。


今回のブログは、その911の 実質的に初めてのモデルチェンジとなった 964についてのお話です。





911の 前時代的な RRレイアウト空冷エンジン が時代にそぐわなくなってきた為、ポルシェAGは 911に代わる 新世代のポルシェとして ポルシェ928 を開発した事を前回のブログで書きました。


しかし、ユーザーは 928 を 911の後継車とは認めなかったのです。


そこで、遂にポルシェAGは 911のモデルチェンジを行う事を決断したのでした。


なお、930型を、901型に続く2代目と考えると、既にモデルチェンジを行っていると考える事も出来るのですが、そもそも 930 というのは “ターボ”の開発コードであり、本来のモデルチェンジではありません。


また、外観の変更点である アメリカの安全基準による5マイルバンパーも、どちらかというと安全基準に適合させる為のマイナーチェンジと言うべきものでした。


つまり、今日のテーマ「911のモデルチェンジ」は、911初のモデルチェンジと言って良いものなのです。





ポルシェ911(964型)


1989年、遂に “新しい911” が登場しました。


964型911 はパッと見、今までの911、つまり 930型と変わっていない様に見えますが、完全新設計の928が顧客に受け入れられなかった事から、あえて 従来の911と同じ外観にしているのです。(実際には 80%のパーツが新設計となっています)


技術的にも、“空冷”、“水平対向”、“RRレイアウト” を踏襲しており、どこから見ても 911そのものでした。


もちろん、新たな技術は取り入れられており、変わっていない様に見えるボディも、空力的には完全に見直されており、空気抗力係数(Cd値)は0.32と、当時のトップクラスの空力性能を誇りました。


また、エンジンも3.6ℓまで拡大され、サスペンションもトーションバースプリングから現代的なコイルスプリングに変更されています。


そして、この964から、グループB仕様の ポルシェ959由来の4WDを採用した カレラ4も登場しています。





「911のモデルチェンジ」


964型へのモデルチェンジで、保守的なまでに“911である事”に拘ったポルシェ。


その狙いは功を奏し、ポルシェの顧客たちは964型911を受け入れました。


この事によって、ポルシェ911は その後もモデルチェンジを重ねながら現在も生産し続けられる事になっていったのです。


ただ、結構 この結果は際どいものだったんですよね。


当時のポルシェAGは方向性を見失っていた時期で、924、928のFRポルシェだけではなく、RRのポルシェでも搭載エンジンで“911らしからぬ”モデルを計画していました。


それが 開発コード “965” として1984年から開発されていた車です。



「ポルシェ959じゃん!」って思った人いませんか?


違います。


この車は、先進技術を詰め込んだ959とは全く別のクルマで、何とリアにV8エンジンを搭載していました。



一応、アウディのV8エンジンで開発は進められていましたが、インディカー用のV8エンジンをディチューンして積むなんて案もあったようです。


結局、コストが高くなり過ぎるという理由で開発はキャンセルされ、今は開発途上のプロトタイプがポルシェミュージアムの倉庫に眠っています。








964の上位モデルとして登場する筈だった965。


残念な思いがある反面、もしこの車が世に出ていたら、911は964で終わっていたかもしれません。(あるいは、迷走していたポルシェAGが、964の方を「旧態依然」と判断して開発キャンセルしていた可能性も…)


そう思うと、965の開発がキャンセルされて良かったと言えるのでしょうね。


「911のモデルチェンジ」で 964が出てきてくれて、本当に良かったです。



-つづく-
Posted at 2022/02/04 06:51:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | Porsche | 日記
2022年02月02日 イイね!

ポルシェ物語 「新世代ポルシェの模索」

ポルシェ物語 「新世代ポルシェの模索」ポルシェと言えばRR(リアエンジン・リア駆動)、このフィロソフィーは21世紀の現在になっても微塵も揺らぐ事が無い様にも思えます。


しかし、かつてポルシェAGは911に変わる新世代のスポーツカーを模索した時期がありました。





そもそも、何故 RRというレイアウトが採用されたのでしょうか?


自動車の黎明期、タイヤのグリップ性能も不足しており、エンジン自体の重量でタイヤを地面に押し付けられるRRは、グリップ性能を向上させる為にも理に適った方式でした。


そして、RRはエンジンと駆動部分がコンパクトに収まるというスペース効率の良さもあって、自動車の黎明期から普及期に変わる段階で採用例が増えたのです。







しかし、タイヤの性能が上がると、RRに拘る必要が無くなります。


実用車に関しては、スペース効率という意味では依然として利点がありましたが、FFの方がより効率も良く、さらに荷室のアクセス等を考えると、RRを採用する例は無くなっていきました。


そして、スポーツカーに関してですが、トラクション性能という意味では依然として利点がありましたが、コーナーリング性能を考えると、RRのバランスの悪さはむしろスポーツカーに向いていないものでした。


多くのスポーツカーは、よりバランスの良いFRを選び、そして究極を求めるとレーシングカーの様なミッドシップを採用するようになったのです。




そして、ポルシェが考えた新世代ポルシェもFRを採用していました。


ただし、さすがはポルシェ、ただ単に「エンジンをフロントに持っていきました」では終わらせませんでした。


トランスミッションを後車軸の前に持っていく“トランスアクスル方式”を採用。



その他、928のリアサスペンションには 4WSのような効果が得られる“ヴァイザッハ・アクスル”を採用するなど、“新世代ポルシェ”の名に相応しい革新的なスポーツカーだったのですが……






ポルシェ924


914と同様、当初はフォルクスワーゲンとの共同開発で、アウディとして登場する話もあったものの、計画がとん挫。


そこで、ポルシェが自社の車として1975年に登場させたのが ポルシェ924 です。


アウディのスポーツカーとして登場する予定でしたから、当然、エンジンはアウディ製となります。


まぁ、パワーは無いですよね。(汗)


そこで、924もターボ化で、パワーアップを図りました。



さらには、後述するポルシェ928のV8エンジンをぶった切ったような直4 2.5ℓエンジンを搭載した 924Sを登場させたりと、“真のポルシェ” となる様、改良を加えたのでした。




ポルシェ944


まあ、見て分るように 924のマイナーチェンジ版です。(汗)


見た目で分かる変更は前後のブリスターフェンダー。


エンジンもアウディ製から自社製 直4 2.5ℓに変更となりましたが、まぁ こちらは 924Sで既に採用されたものでした。


この2.5ℓエンジンはターボ化されたり(944ターボ)、DOHC化されたり(944S)、3.0ℓまで拡大されたり(944S2)しています。






ポルシェ968


パッと見、後述するポルシェ928のようでもありますが、924系の4気筒ポルシェです。


フロント部のみ、928の様なポップアップ式ヘッドライトを採用していますが、その他のボディスタイリングは944のまま。(ただ、パーツは新しくなってるそうですよ)


エンジンは直4 3.0ℓのまま可変バルブタイミング機構(ヴァリオカム)を採用するなどして、高性能化が図られています。


1995年、ボクスターの登場により生産を終了、924登場の1975年から考えると 20年に渡り生産されてきたことになりますね。


944あたりは普及版ポルシェとして好評だったのですが、924はアウディの匂いがしたり、968はもはや古くさくて 評判はイマイチといったところでした。






ポルシェ928



新世代ポルシェの中でも、ポルシェ928は最初からポルシェとして開発されていました。


つまり、928こそ 911に変わる ポルシェのフラッグシップ・スポーツカーとして開発されたクルマだったのです。


前述のトランスアクスル方式やヴァイザッハ・アクスルなど、新機構も多く採用されました。


また、新世代スポーツとしてATの設定もあったりと、とにかく力の入った車だったのですが……


ポルシェの顧客には928は響きませんでした。


大パワーを誇った4.5ℓ V8エンジンも、フラット6に慣れたユーザーには大きく重いだけにしか感じられません。(「メルセデスのV8か?」などと揶揄されていたりして…)


そして、やはりポルシェフリークには “空冷水平対向6気筒”、“RR” でないポルシェはポルシェではなかったのです。


ポルシェAGの狙い通りに928は売れず、結局、「930の次」を開発する事になるのです。



-つづく-
Posted at 2022/02/03 07:01:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | Porsche | 日記
2022年02月01日 イイね!

ポルシェ物語 「普及版ポルシェの系譜」

ポルシェ物語 「普及版ポルシェの系譜」 昨日のブログで、空冷ポルシェ(930、964、993)を一気に書き上げようとしたものの、930だけでいっぱいいっぱいになってしまいました。(汗)


普通だったら、昨日書けなかった964、993について書くのでしょうが、今回のブログでは 時系列の方を優先しようと思います。





初めて911を名乗った 901型には、4気筒エンジンを搭載した ポルシェの普及モデル “ポルシェ912” が存在していました。



911が代を重ねて 今も生産されているのに対し、912は 901型だけで生産を終了しています。


コストを抑えるという意味では4気筒エンジンの採用は有効でしたが、安価なモデルである912が911と同じ外観である事は、911、912を含めた車全体としてのイメージを安価な物にしてしまう弊害もありました。


そこでポルシェは、安価なポルシェとして 専用ボディを持つ普及版のモデルを用意する事にしたのです。





ポルシェ914


ポルシェ914は、フォルクスワーゲンとの共同開発によって、1967年フランクフルトショーで発表され、1969年から生産、1970年から販売されました。


元々、ポルシェとフォルクスワーゲンは、タイプ1の開発者がポルシェ社の創設者 フェルディナント・ポルシェ博士である事もあり、当初から深い繋がりがありました。


実際、ポルシェとフォルクスワーゲンとの間には 以下のような提携が結ばれていたのです。

 1)フォルクスワーゲンはビートルを1台生産するごとにロイヤリティをポルシェに支払う。
 2)ポルシェはフォルクスワーゲンと競合する車種を他のメーカーのために設計しない。
 3)フォルクスワーゲンはポルシェの特許技術を自由に使用できる。
 4)ポルシェは、フォルクスワーゲンのパーツを自由に利用してスポーツカーを製作できる。
 5)フォルクスワーゲンのサービス網をポルシェが利用可能。


そして、この提携をさらに深めた、共同開発車こそが ポルシェ914 だったのです。



ただ、このVW-ポルシェは、紆余曲折の上で誕生した車でした。




当初はフラット4エンジンを搭載するものをフォルクスワーゲン・ブランドで、フラット6エンジンを搭載するものをポルシェ・ブランドで販売する予定でしたが、1968年にプロトタイプが完成した直後にプロジェクトの旗振り役のひとりだったVWの社長 ハインリヒ・ノルトホフが急死した事で雲行きが怪しくなります。


代わりにフォルクスワーゲン会長に就任したクルト・ロッツはそれまでの約束を反故、一切の権利と販売権がフォルクスワーゲンに帰属すると主張します。


最終的にはVW-ポルシェ販売会社を通じて”VW-ポルシェ”として販売されることで落ち着きますが、ポルシェの開発費負担が増えた事でコストは上昇、また この事で両社の関係にヒビが入ってしまいました。


914は、普及版ポルシェの名に相応しく、初年度に16,231台の販売台数を記録、1971年21,440台、1972年27,660台と順調に販売を伸ばしていきますが、その一方で1970年にフォルクスワーゲン会長に就任したルドルフ・ライディングがVW-ポルシェ販売会社の解消を決断。


VWとの提携解消による財政悪化に加え、北米におけるマスキー法などの排ガス規制、第4次中東戦争に起因するオイルショックなどが重なり、914は1976年を以て後継車の登場を待たずに生産終了してしまったのです。





その独特のスタイルや、VW-ポルシェというブランドイメージなどにより、何となく 914は成功とは言い難いイメージがあるのですが、実際には 6年間で合計11万5597台という販売台数を記録しており、ミッドシップ・スポーツカーとしては十分に“成功”と言える成績と残しているのです。


そして、普及版ポルシェの系譜は、914と同様、アウディ製エンジンを搭載するなど VWグループのパーツを用いてコストダウンを図った “ポルシェ924”





そして、914と同様、ミッドシップ&オープンボディを持つ “ポルシェ・ボクスター” へと繋がっていくのです。





ただ、今や もっともポルシェを普及させた功労者(車)は、カイエンやマカンといったSUV達でしょうけどね。(汗)



-つづく-
Posted at 2022/02/02 01:49:08 | コメント(1) | トラックバック(0) | Porsche | 日記

プロフィール

「疲れた…」
何シテル?   11/18 03:09
タケラッタです。 子供の頃からの夢、ポルシェを手にしただけでは飽き足らず、遂にロータスまで買ってしまいました。 実用性はないかもしれないけれど、運転する事自...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2022/2 >>

   1 2 3 45
67 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 1819
20 21 22 23 24 2526
27 28     

リンク・クリップ

おぬし何者‼  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/07/10 12:15:14
フリーモータージャーナリスト小倉茂徳さんを偲ぶ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/05/24 19:43:33
ポルシェ終活、始めました 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/10/01 12:47:07

愛車一覧

ポルシェ 911 ポルシェ 911
2014年に買った997 GT2。 購入時にはオレンジ色のラッピングを纏っていましたが、 ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
ポルシェ乗りになってから、ずっと興味のあった空冷ポルシェを、遂に購入してしまいました。
アルファロメオ ジュリア ジュリア 初号機 (アルファロメオ ジュリア)
2台目のアルファ・ロメオ、アルファ・ロメオ ジュリア クアドリフォリオです。 家族を乗 ...
BMW M5 BMW M5
前々から気になっていたE60 M5ですが、病気を機に、楽しめる物は楽しめるうちにと考える ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation