
ようやくです。
先週の土曜日に試乗した、ポルシェ718ボクスターSの試乗記をようやく書くときが来ました。
と、その前に断っておかねばならない事があります。
当日は、朝からアルファ・ロメオ4Cスパイダーの慣らしで山道を走り回り、東名や横浜市街地の渋滞に嵌まるなどして、ポルシェセンター横浜に到着したのは午後5時を回っていました。つまり、ほぼ丸一日4Cスパイダーの運転をしていた訳です。
どうしても4Cスパイダーとの比較になってしまう事を御了承ください。
さて、718ボクスターの試乗車ですが、グレードはS。
私の注文したグレードでは有りますが、ミッションは日本市場では多数派であろうPDKであり、私の注文したMTとは異なっていました。
しかし、ここに4Cスパイダーとの接点が!
4CスパイダーもTCTと呼び名は違えどツインクラッチのパドルシフトつきAT。
両社のツインクラッチATの考え方の相違がわかるというモノ。
4Cはクリープ現象は再現せず、シフトノブも省略したボタン操作のAT。
一方でボクスターのPDKはクリープ現象を再現させており、シフトノブもある従来からのAT車と言う感じがします。
これだけで発進の時に大きな違いとなって現れます。
少し多めにスロットルを踏んでクラッチを繋ぐ4Cは「バルンッババババ」と遠慮なく吼えまくりますが、ボクスターはシフトレバーを前進にして後はブレーキを離すだけでスーッと発進します。
街中の試乗コースはお巡りさんに見つからないように気をつけながらアクセルを深く踏み込む。
さすが2.5ℓと4Cの約1.5倍の排気量がモノをいい、低速からトルクフル。
それでいて高回転まで回してみてもターボらしさは抑えられていました。
もちろん、パワー感が無いなんて事は有りません。
停止状態から思いっきりアクセルを踏んだら、メーター読みながらあっという間に100km/hに。(良い子のみんなはマネをしてはいけません)
これ、ECUチューンでちょっとブースト上げるだけでGT4より速くなっちゃうんじゃ? と余計な心配をしました。
ポテンシャルの素晴らしさは短い試乗コースでも垣間見る事ができましたが、やはり多くの人が気にするのがエンジン音でしょう。しかし、ここにタケラッタの知らない世界があるのです。実はNAのフラット6に乗った事が無いのです。だから、「回せば回すほどに澄んでいく」と言われるポルシェのNAフラット6が失われたとお嘆きの諸兄の意見がわからんのです。
シートの後ろに搭載されたフラット4ターボは、その取り回しから若干非効率な不等長エキゾーストとなり、昔のスバルに搭載されていた、私にしてみれば懐かしい不等長ボクサーサウンドが聞こえてきました。
しかし、そのエンジン音も4Cに比べればさえずる様なもの。
PASMでハード側に設定しても、4Cの乗り心地を思えば快適そのもの。
運転席を初めとしたインターフェース類はポルシェの文法に則ったもので、何の違和感も無く運転できました。
試乗を終えてひと言。
4Cで訪れたのは間違いでした。

何もかもが特殊な4Cと比べると、ボクスターはちょっとトルクフルな普通の車としか思えなかったのです。
4Cは近く初回点検を行い、慣らしから解放されます。
その時、4Cという魔性の車に嵌まってしまうか、それともあまりのハードさに扱いきれなくなるか、ボクスターの運命は4Cが握っていると言う気がします。
但しボクスターにはMTがあるんですよねー。
日本向けにも少ないながらMTの試乗車が用意されているそうです。
勝負はボクスターのMTに試乗してみてからだな。
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ボクスター | 日記
Posted at
2016/07/07 21:06:07