昨日のブログで、日産はゴーン流の悪しき流れから変わる必要があると書きました。
新しい流れは、新しいスカイラインに感じることが出来ます。(新型スカイラインの企画が、ゴーン後に行われたのかどうかは知りませんけどね)
売れない国内市場には一切のコストを掛けずに、北米のインフィニティQ50のままエンブレムすら変えずに出してきたマイチェン前と違い、新型は日産顔で出してきました。(ま、Vモーショングリルの顔がユーザーに受け入れられるかは別の話ですが……)
また、搭載エンジンが変わった事も良いだと思います。
新型スカイライン登場時のブログにも書きましたが、ダイムラー製の2.0リッター直噴ターボエンジンから、日産自前の V6 3.0リッター直噴ツインターボエンジン「VR30DETT」に変更されました。
ダイムラー製エンジンの出来がどうとか言うつもりはありません。天下のメルセデス・ベンツに搭載されているエンジンなのですから、悪いエンジンではないのでしょう。
ただ、それを日産車に搭載する意味が分からなかった。しかも、日産、いや 日本を代表するスポーツセダンのスカイラインに、わざわざ搭載する意義があるのか理解できませんでした。
この辺は、車の魅力とかを考えず、コストしか考えない上層部の悪影響でしょうね。(もっとも、ダイムラー製エンジンが安かったとは思えませんけど。スカイラインはインフィニティQ50だったのですから、そのクラスの車に2.0リッターターボは廉価版でしかないけど、その割には高コストなエンジンだったのでは?)
日産自前のエンジンになった事も良いですが、3.0リッターターボとなった事も、スポーツセダンとしての魅力を発信するには、良い訴求ポイントでしょう。
ただ、TV CMはイマイチだなぁ。
目玉技術のプロパイロット 2.0 を訴求したいのは分かるのですが……折角、スポーツセダンとしてのスカイラインとしてイメージチェンジを図ったのです。
もっと走りを印象付ける映像にすべき。
それを、ハンドルから手を離しちゃって、「この車は、ドライバーから走りを隔離する車です」って言ってるようなものですよ。
売り出し方、間違えてるんじゃないかなぁ。
また、プロパイロット 2.0 としての見せ方も疑問。
事実上の自動運転として見せるなら、ハンドルを離して「どうよ!」とみせるより、もっと自然に、「運転を意識してません」的な表情の方が、観ている側の印象は良いと思う。(まあ、法律上はまだ自動運転じゃないので、「運転に関知しない」と言うのはNGですがね)
プロパイロット 2.0 は運転支援技術です。いわば、縁の下の力持ち的なもので、力一杯自己主張すべきものじゃないと思うのですがね。
個人的には、日産のCM全般に使われているナレーターも変えた方がいいと思います。
あくまで個人的な好みではありますが、心がこもっている感じが無く、どこか上から目線な感じがする(話している内容があまりに誇張されているからかもしれませんが)ので、嫌いです。
まー、個人的な好みを置いておいても、長年に渡る日産CMの統一イメージでもあるので、ナレーターを変えるだけで変わった感が出ます。
変えると言えば、CMのキャッチコピーも変えましょうか。
『ぶっちぎれ 技術の日産』
残念ながら、今の日産はトップの座にはいません。
上から目線をやめて、挑戦者としてのスタンスの方がいいと思います。
矢沢永吉が嫌いなわけではありませんが、トップに君臨するスーパースターよりも、フレッシュなキャラクターの方がいいんじゃないかな。
そういう意味では、かつての「変わらなきゃ 日産」のキャンペーンと、その時のイメージキャラクターだったイチロー選手と言うのは、これ以上ないって言うくらいイメージは良かったですね。
イメージだけ変えても、商品の魅力が無ければ車は売れません。
幸い、日産には e-POWER という『売り』の技術がありますから、魅力ある商品を作ることは可能な筈です。
新型車が出ない時期が続いた日産ですが、新型スカイラインに続き、ジュークの新型も出るようです。
他にも、2008年11月に発売されたキューブ、2010年7月のマーチ、2010年8月のエルグランドと、需要は有りそうなのに放置されている車はあるので、復活の手立てはまだまだ残っています。
もちろん、利益を出すなら主戦場の北米に力を入れるべきですが、そんな事は言われなくても分かっているでしょうし、実際、今までも、国内市場を無視してまでも北米偏重でやって来たはずなので、ここでは言いません。(もっとも、販売奨励金に頼らねば売れなかったのですから、現状のラインナップに問題は有るのでしょうが……)
日産車が売れるには、日産だけの魅力がある車を作るべきです。
コストだけを意識して作られた車は、結局は値段勝負となり、値引きが利益を圧迫します。
北米にしても、今の日産があるのは DATSUN(ダッツン)の時代から日産車に魅力を感じて購入してくれたユーザーがいたから―――日産車を魅力ある車にすべく開発してきた先人たちがいたからです。
それこそが、日産が大事にすべきヘリテージだと思います。
ま、だからと言って、コストを度外視した、技術者のマスターベーション的な車作りはしちゃダメだけどね。(笑)
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日産 | 日記
Posted at
2019/08/02 05:02:01