
昨日のブログに、『現在の経営状況から言って、スポーツカーなんぞ出している場合ではない』と書きました。
2年連続で巨額の赤字を垂れ流す日産は、金食い虫のスポーツカーに手を出している余裕などないのです。
それでも……
やっぱりクルマ好きとしては、新型フェアレディZは出して欲しいし、期待しちゃっているのですよねー。(汗)
日産の経営者だってバカではないので、プラットフォームを一から新開発出来ない事など分かっているでしょうから、今回の新型Zは、Z34からの使い回しでしょう。
まあ、Z34の時点でZ33の使い回しですし、さらに言えば、それらはFMプラットフォームであり、2001年に登場したV35スカイラインの時に初採用されたプラットフォームですがね。
本当なら、どんな車よりも性能に拘りたいスポーツカーなので、最新技術で一から設計をしたいところでしょうが、販売台数が見込めない≒儲からないスポーツカーにはお金を掛けられないという台所事情があります。
86/BRZも、その台所事情があったからこそ、次期型の開発承認が遅れ、現行型の生産が終了したのに、次期型が発表されずにいます。(噂では、プラットフォームは現行型のキャリーオーバーとの事)
新型フェアレディZがフラットフォームをキャリーオーバーしたとしても、それは致し方が無い事なのです。
もしも、私の予想に反し、新たにフラットフォームを設計していたとしたら、クルマ好きとしては拍手喝采ですが、一般常識から考えれば「何、考えてんだ!」って事になります。(汗)
まぁ、基本設計が20年前っていうのは悲しいですがね。
さて、極力開発費を抑えて開発を行っている筈の新型フェアレディZですが、うれしい事にMTの設定があるようです。
スポーツカーと言えども、最近はMTを作らないケースが多いです。
フェラーリやランボルギーニといったスーパースポーツから、お仲間のルノー系スポーツブランドのアルピーヌ、そして、Zの直接的ライバルであるスープラもMTの設定はありません。
新型フェアレディZのMT設定に関しても、クルマ好きとしては拍手喝采です。
ですが……
現行のZ34で採用しているMTは使えないでしょうから、Z35の為には新しいMTを用意する必要があります。(Z34は3.7ℓのNA、Z35は3.0ℓターボで、トルクが大幅に大きくなる為、容量不足になる)
そうまでしてMTを用意してくれる……クルマ好きとしては涙ちょちょ切れもんですが、やっぱりコスト計算が出来てないんじゃないか?(汗)
まさか、後先考えず「やっちゃえ、日産」って言いながら……
並々ならぬ覚悟で(あるいは、何も考えずに?)開発が進む新型フェアレディZ。
過去のZのイメージを取り入れた今回のスタイリングは、Zのファンが多い北米市場を意識したものでしょう。
中でも、熱狂的なファンが多いのは初代Z(S30)ですから、今回のデザインは正解?
そうでもないようです。
10台以上のZを乗り継いできたクルーズ・レコマンタさんは、現在71年型の240Zを所有している。彼は、新型Zをどう見ただろうか?
「240Zはわたしの好きなJDMカーの1つです。日産がZのブランドを存続させようとしていることには非常に期待していますね」
「しかし、現行のデザインではポジティブな評価が得られるかどうかはわかりません。78年以前のZのデザインを再起させるようなことをするならば少々的外れな点があるように思うのです」
「現在日産が提供している写真を見ると、アグレッシブさとエコノミーの間で行き場を失っているようにも見え、どっちつかずな印象があります」
「昔からのZファンは、新しいZのために古いZを手放すことはないでしょう」
なかなか厳しい意見ですね。(汗)
とは言え、旧車好きが新車に興味を示さないのは当然と言えば当然。
最新が最良と言われるポルシェだって、空冷ポルシェ乗りは新型が出たからと言って空冷ポルシェを手放す事は無いでしょうからね。
とは言え、新型フェアレディZが成功するか否かは、過去のZの成功にヒントがあると思います。
世界総販売台数55万台を記録した初代Z(S30)は、その入手しやすい価格から「プアマンズポルシェ」と揶揄されたものの、驚異的な売り上げが販売施策の正しさを物語っています。
今回のZがリーズナブルな価格で提供されたならば、S30の様にとは言わないまでも、結構売れるのではないでしょうか?
でも、日産のエンジニアは結構頑張っちゃって、本格派に仕上げちゃっている気がするなぁ。(汗)
いや、それで安ければ何も問題ないのですがね。
経済面、経営面で考えれば、無謀としか言いようのない新型フェアレディZ。
しかし、プロである筈の自動車評論家には絶賛されています。
評論家も、現在の日産の置かれている実情は百も承知の筈です。
恐らくは、夢、ロマンと言ったところでZを語り、あわよくばZの成功が日産の企業イメージを好転させてくれれば、という思いがあるのだと思います。
そして、私も、クルマ好きとしての思いは、上記と全く同じです。(冷めた目で見ると「無謀」って言葉が出てきちゃいますけど……)
賽は投げられた。
もう、新型フェアレディZを出すことは発表しちゃいました。
“やっちゃった” からには「頑張れ、日産!」
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日産 | 日記
Posted at
2020/09/25 23:06:20