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2021年11月18日

トヨタ自動車物語 「ハイブリッドカー」

トヨタ自動車物語 「ハイブリッドカー」 「21世紀に間に合いました」


1997年12月、このキャッチコピーとともに トヨタは 世界初のハイブリッドカー“プリウス”をデビューさせました。


皆さんは、この車のデビューに関してどのような感想をお持ちになりましたか?


あ、皆さんと言っても、その頃はまだ子供だったから覚えていないとか、そもそも生まれていなかったって方もいらっしゃるかもしれませんね。(汗)


今や当たり前の車となった感のあるハイブリッドカーですが、当時の技術レベルでは 完全に夢の車でした。


「21世紀に間に合いました」


このキャッチコピーは、20世紀中は実現不可能と思われていたという事、そしてその夢の車の開発に成功したという意味が込められているのです。





そんな夢の車、ハイブリッドカーのプリウスのデビューに関して、私は それほど強い印象は持ちませんでした。


まぁ、当時はガソリン または ディーゼルエンジンという内燃機関のみで動く車ばかりでしたから、電気で走る車ということには真新しさを感じましたがね。


って言うか、当時は電気で走る車なんて、実用性が無い時代だったんですよね。


電動車なんて、ゴルフ場のカートがいいところ。



公道をそれなりの速度で走る事すら難しかったのですから。


また、格段に技術の進んだ現在のEVでも航続距離の問題は依然として残っていますが、当時はゴルフ場の中が精いっぱいだったわけです。


当時は今と違って 地球温暖化問題は それほど議論されていませんでしたから、電動化を血眼になって開発しているメーカーはありませんでした。


そんな中、トヨタは 純粋に燃費向上の為に電動化技術を用いたのです。





さて、皆さんは何故ハイブリッドカーが燃費が良いか、理解されているでしょうか?


『電気の力でエンジンをアシストしているから』


大まかに言って正解ではありますが、この一言だけでは燃費が良い事の説明にはなりません。


そもそも、電気エネルギーとて何らかの形でエネルギーを供給してもらわねばなりません。


初代プリウスは充電機構が無い為、モーターを動かす電気エネルギーは自ら発電しなければなりません。


縁日の屋台で使われる発電機だって燃料を燃やして発電しますよね。



つまり、モーターで駆動すると言っても、その電気を作る為には 結局は燃料を消費するのです。


そして、物理法則上、エネルギー効率100%など ほぼ不可能であり、わざわざ電気という別の形に変換する時に変換ロスが生じる為、普通なら直接駆動した方が効率が良い筈です。





では、何故ハイブリッドが燃費が良いのか。


1つは、エネルギー回生が出来るから。


ブレーキを踏んで減速する時、その運動エネルギーは摩擦熱などに変換されるだけで無駄に消費されますが、電動車ならば 回生ブレーキ=発電であり、減速時にエネルギーを回収し、その分を加速時に使用できるのです。





2つ目は、エンジンと電気モーターの性格の違いを考慮した制御技術。


内燃機関であるエンジンは、加速時、特にゼロ発進時のエネルギー効率が極めて悪いのです。(逆に、高速道路のようなところで一定回転数で巡行する場合はとても効率が良い)


一方、電気モーターは回転数に反比例してトルクが出る……つまり、ゼロ発進時に最大トルクを発揮するのです。


ハイブリッドカーは、それぞれの効率の良い部分を上手に使う事で燃費を稼ぐことが出来るのです。


発進時はモーターで、また急加速時もモーターのアシストによって エンジン回転を過度に上げるのを抑止し、高速道路など一定速度で走る場合は エンジンで直接駆動する。




前述の通り、プリウスのデビュー当初はそれほど印象に残らなかったのですが、この2つの特徴を理解してからは「トヨタ、凄ぇーっ!」って思いましたね。


私は、エンジンをガンガンに回して走るのも好きですが、意外と一定回転数で走って 極力燃料消費を減らす……いわゆるエコランってヤツを 当時も良くやっていたので、電気のアシストによって エンジンを一定回転数で保つっていう考えに感動しました。





「21世紀に間に合いました」


トヨタが1997年に発表したプリウスですが、その後 暫くはフォロワーが現れる事もありませんでした。


まぁ、1999年にホンダがインサイトを出していて、ギリギリ20世紀中にハイブリッドカーを出してはいるのですが、到底 実用的な車とは言えず、ハッキリ言ってプリウスのライバルとはなり得ませんでした。




結局、実用に耐えうるハイブリッドカーが登場したのは、2009年の二代目インサイトまで待たねばなりませんでした。




ライバルに10年以上の技術的な差をつけたハイブリッドカーですが、それでも、ホンダはハイブリッドを出せただけマシでした。


何せ、未だにホンダ以外のメーカーはまともなハイブリッドカーを作る事すら出来ていませんからね。(理屈が分かっていても、緻密な制御技術が無ければハイブリッドカーは成立しませんから)





現在のEV化の波は、カーボンニュートラルの要求っていうのもあるでしょうけど、ハイブリッドではトヨタに太刀打ちできないと考えた欧米メーカーが、主戦場をEVに据えただけだと思うのですがねぇ。


大体、EVそのものは CO2を排出しないものの、EV製造時(主にバッテリー製造時)の CO2排出量や、EV用の電気エネルギーを発電する時の CO2排出量を考えたら、まだまだハイブリッドカーの方が CO2排出量は少ないと思うのですがねぇ。


環境活動家は、イメージだけで「化石燃料を使う車は、即刻 販売を中止しろ!」と言っているけど、現状では CO2排出量を増やすだけなんだが……


また、このままEVの普及が進んだら、圧倒的に足りていない充電施設で充電待ちの長い列が発生しそうな気もするし……


そう考えると、トヨタがハイブリッド技術に着目したのは、至極真っ当な判断であり、その先見の明には舌を巻かざるを得ません。





「21世紀に間に合いました」


そう言って華々しく登場させたハイブリッドカーですが、21世紀の中頃にはハイブリッドカーもエンジンを使用する車として一括りにされ、ヨーロッパでは販売禁止になります。


トヨタと欧米メーカーとの圧倒的な技術力の差が、却って政治力によってハイブリッドカーが排除される事になってしまいました。


ちょっとトヨタが強過ぎましたかねー?


ブログ一覧 | TOYOTA | 日記
Posted at 2021/11/19 00:58:03

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