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2022年01月04日

ロータス物語 「エランとヨーロッパ」

ロータス物語 「エランとヨーロッパ」 未だに熱狂的なファンがいるスーパー7を生んだロータス。


その一方で、レーシングカーでは サイクルフェンダーのみのMk 6から、洗練されたボディを架装したMk 8、Mk 9、MK 10を開発。


1956年には 名車Mk 11が誕生しました。


ロータス 11



そして、1958年には遂に F1 GPに参戦、1960年にスターリング・モスが駆るロータス18がGP初勝利を飾りました。(ロータスのF1活動に関しては、別の機会に……)





傍から見ると順風満帆に見えたロータスでしたが、実際にはロータスの経営状況は芳しくありませんでした。


まずは、F1マシンの開発、及び 参戦には多大な予算が必要となり、ロータスの財政を圧迫しました。


そのF1参戦費用を捻出する筈の市販スポーツカーも、実は利益率が低い車ばかりでした。


まずは前述のスーパー7。



走りに関係しない装備(特に快適装備)が皆無の、極めてシンプルな構造な車ゆえに安価ではあったものの、製造工程は手作業での組付けとなり、意外と製造コストの掛かる製品でした。(安価なのに製造コスト高 = 利益 小)


もう1台、“FRP製フルモノコック構造”という挑戦的なボディを採用したエリートは、高級GTカーとして一部から絶賛されますが……

ロータス・エリート(Type14)


このエリートは、凝りに凝った複雑な構造ゆえに生産効率も悪く、生産台数を稼げませんでした。


また、新技術の導入は 信頼性に対するリスクを負う事にもなり、実際、ロータスはクレーム対応に追われる破目になってしまい、さらに利益率が低下していったのです。(一説には、エリートは売れば売る程、赤字が拡大していったとか……)





そんな、ロータスの窮地を救ったのがエランでした。


ロータス・エラン(Type26)


元々、旧態依然としたセブンの後継車として計画され、このエランと 高級GTであるエリートの2本立てのラインナップとする予定でした。


当初、ボディ構造は エリートと同じFRP製フルモノコック構造を踏襲する予定でしたが、エリートでのトラブルを経験したロータスは、鋼板を溶接して作る “バックボーンフレームシャーシ” を採用します。



このバックボーンフレームシャーシは、エリートの信頼性問題を回避出来ただけではなく、バックボーンフレームに エンジン、トランスミッション、サスペンションなどの主要ASSYを取り付けることが出来た為、セブンの手組みの様な製造工程よりも生産性を向上させることが出来ました。


バックボーンフレームシャーシは、以後35年に渡ってロータスを支えるコアテクノロジーとなったのです。


1962年に発表されたエランは、1973年までの12年間で12,000台以上も売れた大ヒット車となりました。(もちろん、ちゃんと利益を上げていましたよ!)





エランのヒットで財政が安定したロータス(*)は、F1でも快進撃を始めます。(*:実際には、フォードから依頼されたコルチナのチューニングという”エンジニアリング・コンサルタント業”という収益もありました)


ジム・クラーク&ロータスはF1シーンを席巻、GPを支配します。


alt

クラーク「ついでに、インディ500も制覇しておきました。(笑)」


そして、そのF1でのイメージを生産車にも展開すべく、まだまだ量産車では採用例が少なかったミッドシップ・スポーツカーを開発。


そう、日本でロータスをメジャーな存在にした車である “ロータス・ヨーロッパ” です。


ロータス・ヨーロッパ(Type46)


初期のヨーロッパ(Type46)は、安価に仕上げる為に、エンジン…というか、パワートレイン系(エンジン、ミッションなど)がルノー16からの流用で、フロントサスペンションは、トライアンフ・スピットファイア、バンパーすらもフォード車からの流用でした。


ちなみに、ルノー16は縦置きFFですが、ミッションがエンジン前方に配置されていた為、ヨーロッパに搭載する時は前後逆さにして搭載しています。(そのまま搭載すればカウンタックの様になったのにねぇ…)


なお、サーキットの狼世代が憧れたロータス・ヨーロッパとは、見た目がかなり異なっています。


ヘッドライト内側にウィンカーが無い、三角窓が無い(ちなみにハメ殺しである為、窓は開きません)、リアにバーチカルフィンがある(ルーフから一段下がったラインになっていない)、etc…。


世代の違いは、シリーズ2(Type54)で ウィンカーが付き、三角窓が付いて、窓ガラスの開閉が出来るようになりました。(あと、シリーズ2でようやく右ハンドル、つまり本国仕様が登場しました)


ツインカム(Tyoe74)で、ようやくサーキットの狼世代が見慣れた形状の車になりました。



また、その名の通り、エンジンが1.5ℓ OHVから 1.6ℓ DOHCに変更されています。


最終型のスペシャルでは、よりパワーアップしたエンジン、通称“ビッグバルブ”と呼ばれる物に変更されました。


また、スペシャルでは、オプションの5MTが選択できるようになりました。





また、エランを名乗ってはいますが、エランとは性格が異なる車、リアシートを備える ”エラン +2” も追加されています。


エラン +2(Type 50)


ロータス初の4シーター車でしたが、家庭持ちのロータスファンに受けたのか、この車も約5,000台が販売された(ロータスにしては)ヒット車でした。





エラン、ヨーロッパのラインナップは、ロータスが一番輝いていた頃と言えるんじゃないですかねー。


その理由は……次回に続く。
ブログ一覧 | Lotus | 日記
Posted at 2022/01/04 22:38:05

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