
今年から金曜日からの開催になったモナコGP。
初日のプラクティス(FP1、FP2)が終わりました。
やはり、今回もフェラーリが速そうですね。
ルクレールは、今年こそ実力で母国GPのP.P.を獲得できそうです。
ただ、決勝は雨の確率が高いので、P.P.を取ったからと言って、簡単には勝てないかもしれません。
まぁ、P.P.を獲得しても決勝を走れなかった去年よりはマシか……。
雨のモナコと言えば、1996年のモナコGPは雨絡みのアクシデントで大波乱の展開となり、完走 僅か3台という超サバイバルレースとなった一戦でした。(ちなみに、チェッカーは受けていないが完走扱いという車も4台いて、記録上は完走7台です)
優勝したのは、リジェのオリビエ・パニス。
パニスは、翌年 ブリヂストン・ユーザーのエース格となりましたが、1996年のリジェ&パニスは、優勝が狙えるようなチームや選手ではありませんでした。
そんなパニスが、なぜ勝てたのでしょうか?
1996年は、2年連続でチャンピオンを獲得していたM・シューマッハが当時低迷していたフェラーリに移籍した為、No.1チームはヒル&ヴィルヌーヴのウィリアムズで、そこに シューマッハが抜けたベネトン、そして シューマッハが加わったフェラーリが続くといった序列でした。
予選こそシューマッハが P.P.を獲得しますが、決勝はスタートでヒルが首位に立ちます。
ヒルの後ろには、シューマッハ、そして、ベネトンのアレジ、ベルガーが続きます。
パニスはというと、予選が14位に終わった為、スタート前は優勝どころか、ポイント獲得も難しい状況でした。
しかし、午前中に降った雨で、路面は完全にウェットであり、序盤からクラッシュが頻発、10周にも満たない段階で 10台がリタイア。(M・シューマッハもオープニングラップでクラッシュ&リタイアしています)
レース中盤、路面が乾き始めた為、各車がドライタイヤに交換。
このタイヤ交換を利用し、パニスが順位を上げてきており、気が付けば表彰台が狙えるところまで来ていました。(パニスの車は、ピットでの停止時間が短くなる様、燃料を多めに積んでいた)
とは言え、さすがに優勝が狙えるとまではいきません。
トップのヒルは、2位のアレジに20秒以上の差をつけて独走態勢……
しかし、快調にトップを走っていたヒルのマシンが、突然ルノーエンジンがブローし、リタイアを余儀なくされます。
元祖 モナコマイスターである、父 グラハム・ヒルに続き、親子2代でモナコ・ウィナーになる夢は儚く散ったのでした。
これで、2位だったアレジに、キャリア2勝目のチャンスが巡ってきました。
アレジは2位に30秒以上の大差をつけていましたが、残り15周というところでアレジのマシンにもトラブルが発生。
絶好の優勝機を逃したアレジは、前年のチャンピオンチームのベネトンに移籍したにも拘わらず、その年1勝も出来ずに終わりました。
勝利の女神に見放されたアレジは、その後はマシンに恵まれる事なく、通算1勝のまま現役を引退する事になったのです。
もし、モナコで優勝できていたら、アレジにはもっと良い未来が待っていたかもしれんせんね。
さて、上位陣に悲喜こもごもがあったレースは、後続車にも牙をむき、67周目にヴィルヌーヴとバドエルが接触して両車リタイア。
71周目にはフェラーリのアーバインがスピン、ミカ・サロとミカ・ハッキネンの ミカミカコンビ(笑)が巻き込まれ、この3台もリタイア。
残り2周となったところで4位のフレンツェンもピットに戻り、そのままレースを終えました。(記録上は完走扱い)
ウェット路面でペースが遅かったり、アクシデント多発でレース展開が遅かった事もあり、規定周回数の78周に満たない75周でレースは終了。
スタート時には誰も予想しなかった、オリビエ・パニスの初優勝で幕を閉じました。
ちなみに、無限ホンダ・エンジンの初優勝でもあります。
結局、最後まで走ってチェッカーを受けたのは、優勝したパニスの他は、2位のクルサード(マクラーレン)、3位のハーバート(ザウバー)の3台だけでした。
今ほど完走率は高くなかったとは思いますが……22台中 完走3台? 少な過ぎでしょ!
いや、まあ、「そして、誰もいなくなった」とならなくて良かったけどね。(汗)
ブログ一覧 |
F1 | 日記
Posted at
2022/05/28 06:27:31