
昨日、大黒でお会いしたTVRオーナーさんに、愛車について色々と教えて頂いて TVRと言う車に興味を持ちました。
もっとも、購入の対象になるかと言えば、その車変態度は私でも躊躇してしまうほどで、ちょっと無理です。(←TVRと比べると、スーパー7の方がまだ一般的なんじゃないかとさえ思ってしまう)
そんな、変態度MAXなTVRについて勉強してみました。
TVR
トレバー・ウィルキンソンによって 1947年にイギリス・ブラックプールに創業されました。
当初はメーカーと言うよりコーチビルダーであり、小型スポーツカーを得意としたこともあり、ロータスと似ていると言えるかも知れませんね。
ただ、ロータスがとにかく軽量に拘ったのに対し、TVRは軽量だけでなく大馬力にも拘りました。
その為、ロータスが長々と4気筒エンジンの時代が続いたのに対し、TVRは早々にV8エンジンを積む様になりました。
TVR グランチュラ(1957年~)
TVR初の市販モデルで、FRP製ボディと鋼管チューブラーフレームを採用。
エンジンはフォード製 直4 1.2ℓを積んだFRでした。
ボディサイズが分からんけど、1957年なので ロータス・エリート(初代)のライバルだったのかなー。(排気量も1.2ℓで同じだし)
TVR グリフィス(初代)(1963年~1965年)
前述のグランチュラのシャーシに、フォード製4.7ℓ V8を搭載した車。
この車の誕生の切っ掛けは、当時のACコブラの成功が影響を与えたようです。
TVR タスカン(初代)(1968年~1971年)
上記、グリフィスの後継車。
ボディ骨格はTVR・グランチュラ由来の鋼管フレーム・FRPボディを採用、またエンジンもグリフィスと同様 フォード製のV8エンジンを搭載していました。
なお、1969年にフォード製の3.0ℓ V6エンジン搭載モデルも登場しました。
TVR Mシリーズ(1972年~1979年)
タスカンの後継車。
なお、ドア、ルーフ、バルクヘッド、フロントガラスはタスカンの物が流用されています。
エンジンは フォード製1.6ℓ 直4、トライアンフ製2.5ℓ 直6、フォード製3.0ℓ V6と多岐に渡りました。
TVR タスミン(1980年~1984年)
えっ、これがTVR?
そう思う人がいるかもしれませんね。
TVRって言えばうねうねとした有機的デザインの車って印象がありますから。
でも、実は私のTVRのイメージはこれなのです。
スーパーカーブームが一段落して、スーパーカー以外にも目が行くようになった時、当時のロータス・エクラに似た車があった、それがTVRでした。
エンジンは、フォード製 2.0ℓ 直4、フォード製 2.8ℓ V6を搭載していました。
ただし、売れ行きは芳しくなく、TVRの業績は悪化していきます。
TVR 350i(1983年~1989年)
ご覧の通り、スタイリングはタスミンそのもの。
っていうか、登場時はタスミン350iの名でデビューしており、翌年にタスミンの名が取れて、TVR 350i となりました。
エンジンは、名前の由来になっている ローバー製 3.5ℓ V8を搭載しています。
その後も、ローバー製 V8を積んだ車は排気量を拡大していき、390SE、400SE、420SE、450SEなどのバリエーションを生みます。
結局、このウェッジシェイプのTVRは1991年まで製造されました。
TVR Sシリーズ(1986年~1994年)
斬新なウェッジシェイプのSEシリーズに対して、クラシカルなスタイリングを纏ったSシリーズは、SEシリーズのワンクラス下のモデルとして登場。
当初はフォード製のV6エンジンを搭載していましたが、SEシリーズの生産が終了すると、ローバー製 V8エンジンを搭載するモデルも生産されました。
TVR グリフィス(2代目)(1992年~2001年)
この辺から、今のTVRのイメージとなるスタイリングになってきます。
鋼管チューブラーフレームにFRP製ボディというTVRの文法に添った車。
エンジンはローバー・V8エンジンで、当初の4.0ℓから最終的には 5.0ℓまで大きくなりました。
5.0ℓ V8 なんてエンジンを積んでいますが、車重は僅か1060kg。
全長は4mを切る3892mm、ホイールベースは僅か2285mmですから、真っ直ぐ走るのか心配になりますね。(汗)
TVR サーブラウ(1996年~2005年)
4人乗り(2+2)クーペのサーブラウには、初の自社製エンジンであるV8 SOHC 4.2ℓ「AJP8」が搭載されました。
その後、V8は 4.5ℓに拡大、さらに 直6DOHC「Speed Six」も搭載されました。
TVR タスカン(2代目)(1999年~2004年)
ライトが3つ縦に並ぶ(一番上はウィンカー)、独特のフロントフェイスを持つ車。
エンジンは、ドライサンプ式の直6DOHC「Speed Six」を搭載。
タスカンSは、4.0ℓで 最終的に406馬力、42.8kgmまで達しました。
車重が1100kgですからそのじゃじゃ馬ぶりが想像出来ます。
『西部警察2003』の撮影中、ロケでこの車に乗った出演者が事故を起こしますが、こんな車を素人に載せちゃダメでしょ!(っていうか、刑事がこんな“いかがわしい”車に乗ってる訳ないと思う)
TVR タモーラ(2002年~2006年)
グリフィスの後継車。
タスカンに搭載された直6 4.0ℓ「Speed Six」のショートストローク版で、3.6ℓが搭載されました。
TVR T350(2002年~2006年)
タモーラをベースとしており、オープンのタモーラに対するクーペなので、ボクスターに対するケイマンみたいなもの?(いや、車の性格から言って、エリーゼに対するエキシージみたいなもんか)
wikiでは「ボディは空力性能と冷却機能を強化してあり、車両重量は1187kgと 軽量な車種の多いTVRの中では重量級である」って書いてありますが……1187kgで重量級ですか。(汗)
ちなみに車名は T350 ですが、排気量は3.6ℓです。(350はエンジン出力の350馬力から来てます)
ハッチバックとTバールーフを備えたタルガトップがあり、それぞれT350c、T350t となります。
TVR サガリス(2004年~2006年)
T350をベースに開発された車ですが、搭載されるエンジンは直6 4.0ℓ「Speed Six」で406ps、そして車重は1078kg。
当然のように(?)、サガリスにはABSもエアバックも装着されていません。(EUのガイドラインにはそれらを装備する必要があるにも拘らず)
なんでも、当時の社長ピーター・ウィラーが「そのようなデバイスは自信過剰を助長し、ドライバーの命を危険にさらす」という信念があったらしい。
しかし、406psのエンジンを積んだ 1078kgのFR車ですよ? 十分危険だろっ!?(汗)
TVRは2006年12月に破産します。
しかし、2015年6月、元ブラバムやマクラーレンでF1のデザイナーだったゴードン・マレーの事務所にデザインを依頼した新型車を2017年に発表する事が明らかになりました。
それが
三代目 グリフィスです。
コスワース製V8エンジンを搭載した新型グリフィス。
確かに2017年のグッドウッド・フェスティバルで発表はされましたが……実際に生産が始まるのはいつなんでしょうかねー。