
昨日行われたモナコGPの予選、久々に面白い予選でした。
「えっ、まだ予選でしょ?」 ですって?
いやいや、モナコに限っては、決勝よりも予選の方が大事と言って良いレースなのですよ!
モナコGPは、スタートで先頭に立ってしまえば、あとは前に居座ってしまえば優勝できますから。
モナコでオーバーテイクが出来ないのは、1992年のセナvsマンセルで証明されていますから。
「ここはモナコ、モンテカルロ。絶対に抜けない!」という三宅アナの実況は、今でも鮮明に覚えていますが、あの時の興奮は今は無し。
タイヤのライフだけを考えてペースを落とす先頭車両と、オーバーテイクしたいけどアクションすら起こせない後続車両によるパレードランが、ファイナルラップまで淡々と行われるだけのレースになってしまいました。
まあ、そんな訳で、レースに勝つには何が何でも取らないといけないポールポジション。
久しぶりにポール争いにフェラーリ勢が加わってきました。
しかも、異変(失礼!)はこれだけではなく、何と絶対王者のルイス・ハミルトンがポール争いに絡んでこれていない!
ハミルトンとチャンピオン争いをしているフェルスタッペンにはチャンス到来です!
そんな、大事なポール争いでトップタイムを記録したのは、モナコ人のシャルル・ルクレールでした。
(F1ドライバーの中にはモナコに居を構える人も少なくないですが、ルクレールは国籍がモナコという、正真正銘のジモピーです)
ただねぇ、終わり方が悪かった。
Q3の1回目のアタックでトップタイムを記録したルクレールが、コースコンディションが良くなる2回目のアタックをみんなが始める前にクラッシュ。
ルクレールのマシンがコースを塞いだ為、赤旗が出て、そのまま予選が終了。
1回目のアタックで一番いいタイムを出していたルクレールの予選1位が決まりました。
穿った見方をすれは、暫定1位の自分が、ライバルに抜かれない様に自分からクラッシュしたとも考えられます。
まあ、もしクラッシュ時にギアボックスを傷め、交換なんて事になれば、ペナルティでグリッド降格ですから、そんな事はしないと思いますけどね。
なにせ、マシンはこんな状況ですから……
しかし、データ上からは、もしかしたら? と思わせるものがあります。
放送中、解説の川井氏が「1回目にタイムを出せなかったフェルスタッペンが情けない」と言っていましたが、フェルスタッペンは1回目のアタックラップを アウトラップの直後に行い、そのままピットインしています。
えっ、いつもの事じゃん。
いや、それが違うのです。
今回のピレリタイヤは非常に温まりが悪く、ベストなグリップを得るには“ビルドラップ”という、タイヤを温めるだけの周回を行わないといけないのです。
事実、Q1 や Q2 では、全チームビルドラップを行っていました。(多いマシンでは、アタックラップの前に3周のビルドラップを入れていた)
しかし、Q3は12分しかありません。
2回のアタック両方に十分なビルドラップを入れている時間的余裕は有りません。
ポールを狙うなら、タイヤのゴムが路面に乗って、タイムが上がる2回目を優先するのは自明の理。
フェルスタッペンは、2回目のアタックを完璧にする為、2周のビルドラップをする予定で走行プランを立てていたくらいです。
しかし、フェラーリは1回目のアタックにビルドラップを入れてタイムを出しに行っているのです。
どういう事でしょうねー。
フェルスタッペンは、最後のアタックのセクター1では全体ベストとなる18.438を記録していたのですが、前を走っていたルクレールがセクター2でクラッシュ&赤旗、予選が終了し、フェルスタッペンは2位に留まりました。
そりゃ、マックスは怒るわなぁ。
それでも、ハミルトンが7位に沈んだんですから、チャンスはチャンスですよ!
今回のモナコGP 予選では、他にも興味深い点がいくつかありました。
・新しいマシンに乗るドライバーの成績が振るわなかった事
以前から言われていた事ですが、今季はシーズン開幕前のテスト走行が限られた時間しか無かった為、移籍組や新人(復帰のアロンソを含む)が苦労しています。
そして、モナコの予選でも、それは顕著に現れました。
それは、過去 モナコで2回ポールを獲得している、ダニエル・リカルドのQ2敗退が一番的確に表しているでしょう。
その他、新人3人のQ1敗退もありますし、アロンソまでもが Q1で敗退しました。
・ベッテル 復調?
上記の移籍組にも含まれ、今季はチームメイトのランス・ストロールにも後れを取っている、悩めるセバスチャン・ベッテル。
Q1では、16位の角田と 僅か0.018秒差で辛うじて Q2に進みました。
やはり移籍組は苦労しているな、と思ったのですが、走行を重ねるに従ってタイムを上げていったベッテルは、Q2 も突破し Q3まで進出したのです。
Q3では、上位進出こそなりませんでしたが、7位のルイス・ハミルトンに次ぐ8位ですから、まあ上出来でしょう。
何より、チームメイトのストロール(13位)を上回ったのですから。
これを機に、ベッテルが復調してくれれば、F1はさらに面白くなるのですが……
さて、F1 モナコGP は本日が決勝です。
ルクレールのギアボックスは無事でしょうか?
それによっては、フェルスタッペンがポールポジションって言う可能性もあるのですが……
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F1 | 日記
Posted at
2021/05/23 10:32:50