
昨日のブログタイトルにあった、
“フェラーリの『オレたち』発動” って、何の事だかお判りでしょうか?
『俺たちのフェラーリ』とは、ネットのモータースポーツ系の掲示板(2ちゃんか?)で言われ始めた言葉で、シューマッハの居た頃は常勝チームだったフェラーリが、シューマッハ後は 元のだらしないフェラーリに戻ってしまった事に対し、古株のモータースポーツファンが
「俺たちの知っているフェラーリに戻ってしまった」事を嘆いた事が始まりだと言われています。
もっとも、シューマッハの頃のフェラーリは、テクニカルディレクターのロス・ブラウン、チーフデザイナーのロリー・バーンと、主要メンバーをチャンピオンチームのベネトンから引き連れてきた
“チーム・シューマッハ” であり、純粋なイタリアチームのフェラーリではないのですがね。
シューマッハ前というと、セナ・プロ時代に プロストを擁してチャンピオン争いをしましたが、マシンは良かったものの エンジンがマクラーレンに搭載されたHONDAエンジンに敵わず、苛立ったプロストに
「今のフェラーリは赤いカミオン(大型トラック)だ」とまで言われてしまいました。(暴言を放ったプロストは、シーズン途中で解雇されましたが…)
プロストが去った後は、その才能故に ウィリアムズから権利を買い取ってまで獲得したジャン・アレジがエースとなりますが、アレジはフェラーリ在籍の5年間で僅か1勝、その才能を無駄遣いしました。
象徴的なレースが 1991年のサンマリノGPで、雨の中のフォーメーション・ラップでプロストがスピン&コースアウト、スタート前に消えました。
残ったアレジも、3周目にコースアウトすると、グラベルに嵌ってリタイア、スタート早々にフェラーリ全滅。
地元(サンマリノGPはイタリア・イモラにあり、フェラーリの地元中の地元)のファンの前で、ファンを失望させる不甲斐ないレースをしていました。(今宮さんの
「何やってんだっ!」という嘆きが印象的でした)
ちょっと脱線しましたが(汗)、斯様にオールドファンは スクーデリア・フェラーリに対して信用を置けないのですよ。
それ故、フェラーリがやらかすと やれ
『オレたち発動かっ!?』となる訳です。
そして、今期、そのワードが頻繁に登場するのは、今期最速のマシンがあるのに、勝てるレースなのに みすみすミスをして(←ダジャレではない)、ポジションを失っているからです。
もちろん、その『オレたち』に関してはドライバー側のミスも含まれます。(第4戦エミリアロマーニャGPで、終盤まで3位を走行していたルクレールが単独スピンし、危うくリタイアしかけたり…)
その他、スペインやアゼルバイジャンなど、トップ走行中のルクレールのPUにトラブルが起きたりと、
“フェラーリらしい”と言えばらしいのですが……
しかし、やはりチーム側のミスが多過ぎる!
第7戦のモナコGPでは、レッドブルのストラテジにしてやられますが、フェラーリ側もトップを走るルクレールに勝たせる気が無いかの様なピット指示をします。
トップを走るルクレールに、先にタイヤ交換を済ませたペレスをカバーさせるためにBOX(ピットイン)を指示しますが、指示が2周後と遅かった為、ペレスのアンダーカットを許します。
何故か、後ろにいたサインツにはレインタイヤのままステイする事を許し、その結果サインツが前に出る事に。
何故? 前を走る選手を優先するのが鉄則でしょうに。
それに、チャンピオン争いをしてるルクレールを優先させないでどうする?(しかも、トラックポジションがどのサーキットよりも優先されるモナコだというのに……)
その後、さらに路面が乾いてスリックに替えますが、今度は早く動き過ぎてレッドブル勢にオーバーカットされる始末。(オマケに、2台同時にピットインさせた為、ルクレールはサインツのタイヤ交換が終わるまで待たされたし)
結局、ルクレールはチャンピオン争いをしているフェルスタッペンにも先に行かれて4位で終わりました。
そして 第13戦から始まったドタバタ劇は目を覆わんばかり。
第13戦ハンガリーでは、機能しないハードタイヤを履いて勝利を失い、
第14戦ベルギーでは、残り2周でファステストラップの1点を狙うも、アロンソに前に出られてしまい、アタックも出来ず。(ピットレーンの速度違反のペナルティによる降格のオマケつき)
第15戦オランダでは、タイヤは用意できてないわ、アンセーフリリースでペナルティを食らうわ。
もうグダグダです。
しかし、一番問題だと思うのは、これらのミスに対してもチーム代表から危機感が感じられない事です。
当然のように、フェラーリは批判にさらされますが、マッティア・ビノットは
「ノー、ノー、何も変更する必要はない。すべてが順調に進んでいる」と言い続けているんですよ。
「批判するのは簡単だ」
「だが、我々は人員を変えることはない」
「我々は素晴らしい人材を抱えている。スポーツでより重要なのは安定性であることが証明されており、我々は、日々、そして、レースごとに確実に改善している」
「我々のチームには素晴らしい人材がいる。疑いの余地はない。先頭に立つには、すべてのチームに何年もの経験が必要だ」
もちろん、フェラーリ伝統のお家騒動で責任者を更迭すればいいってもんじゃない事は分かるんですがね。
ただ、モータースポーツは結果が全てです。
「レースごとに確実に改善している」って言うけど、結果が伴うのはいつなんですか?
「先頭に立つには、何年もの経験が必要だ」って言うけど、あと何年待たなければいけないんですか?
ビノットがチーム代表に就任したのは2019年ですから、既に4年目のシーズンになっています。
今年 最速のマシンを手に入れた事は評価しますが、それだけに今年はタイトルを獲得するチャンスだった筈です。
もしかしたら今年を逃したら、また十何年もの間タイトルは取れないかもしれないのに……
やっぱり、イタリア純血チームじゃF1チームを運営するのは無理なんですかねぇ。
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Posted at
2022/09/06 21:49:58