
最近、F1のネタばかり書いている気がする……
契約は時間の問題と思われていたポルシェとレッドブルのジョイントが白紙となりましたね。
何でも、ポルシェが レッドブルの株式50%取得を望んだが、レッドブルはチーム運営を手放す事を拒んだという事らしい。
言ってみれば、「ポルシェによる、レッドブルの乗っ取りが失敗した」という事ですね。
考えてみれば、ポルシェって様々なカテゴリーでチャンピオンを獲得するなど、モータースポーツの世界では常勝軍団なのですが、F1ではあまり良い成績を上げられていません。
1958年、ポルシェは自社のマシン(RSK)でF1に参戦するものの、1964年に撤退するまでに挙げた勝利は、僅か1勝でした。

(1962年 フランスGPで D・ガーニーが804で優勝)
1991年には、フットワークにエンジンを供給しますが、V6を2つ繋ぎ合わせた様な(クランクシャフトの中央から出力を得る)構造で、約200 kgと重く、巨大なエンジンでした。
この大きく、重いエンジンが、さらにパワーも低いという、全く戦闘力のない代物で、結局チームは ポルシェ製V12エンジンの使用をシーズン途中で諦め、カスタマー仕様のコスワースエンジンに切り替えてしまいました。
「マクラーレンに供給したV6ターボエンジンは成功したじゃないか」と言う人がいるかもしれませんが、1983年から マクラーレン MP4に搭載されたエンジンは、実際には『ポルシェ』のエンジンではありません。
ポルシェはエンジン開発を依頼された形での参戦であり、ポルシェワークスとしての参戦ではありませんでした。(エンジン名はTAG)
なお、マクラーレンのロン・デニスが ポルシェにF1用エンジン開発の話を持ちかけた時、ポルシェ側は『新設計のエンジンを一から開発するには莫大な費用が掛かる』という理由で、この誘いを一旦断っています。
ポルシェに資金を理由に断られたデニスは、TAGグループの総帥 マンスール・オジェに、エンジン開発の資金援助を申し入れ、その結果、生まれたのが「TAGポルシェ」なのです。
そんな、TAGポルシェ・エンジンも、実際にはTAGエンジンであり、ポルシェは『依頼されてエンジンを開発するだけ』であり、『ライバルに勝つ為』に開発する事はありませんでした。
ライバルメーカーは、予選用のスペシャルエンジンを用意していましたが、TAGポルシェには予選用エンジンは無い為、予選で上位に来ることは少なく、レース本番でのポテンシャルもライバルに後れを取っていきました。
結局、マクラーレンは1988年からエンジンをホンダにスイッチ、ポルシェ製エンジンは1987年を以て F1から一旦姿を消したのです。
ポルシェのF1での戦績が良くない……TAGポルシェを含めれば 決してそんな事は言えないのですが、逆に会社の判断によっては勝つ為の投資を渋る可能性もある訳です。
レッドブルは、そういう相手(ポルシェ)に決定権を握られたくなかったのかもしれませんね。
去年までレッドブルのパートナーだったホンダは、F1撤退してしまいましたが、チームとしての撤退ではありません。(まぁ、もし ホンダがレッドブルの決定権を持っていての撤退だったら、2008年の撤退の二の舞でしたが……)
また、ホンダは、翌年には撤退すると決めたF1プロジェクトに対し、大金をつぎ込んで“勝ち”に行きました。
レッドブルは、そういうホンダの『熱い思い』を見せつけられた後での、事実上の『買収提案』なので、なおさらビジネスライクな相手に身売りなんてしたくなかったのかもしれません。
なんか、TAGポルシェの時も ホンダにチェンジした訳だし、ポルシェとホンダって因縁がありますね。
今回も、ポルシェとの話が白紙に戻った事で、レッドブルに搭載されるPUは 2026年以降もホンダが供給するんじゃないかって話になってきました。
もっとも、今年からレッドブルに搭載されるPUも、名目上は『 レッドブル・パワートレインズ製』なのですが、実際に製造・組み立て・供給は HRC(Honda Racing Corporation)が担っていますからねぇ。
当初、ホンダ側は「知的財産権を売却するし、軌道に乗るまでは協力する」って感じでしたが、結局、現状のレギュレーションが終了する2025年まで HRCが関わる事になったので、F1ファンからは「撤退サギだ!」って突っ込まれてます。
これで、もし本当に2026年以降もホンダが供給する事になったら、本当に「撤退サギ」ですね。(汗)
それでも、日本のファンはホンダに戻って来てほしいと思っているでしょうし、出来れば「実質的にホンダ」ではなく、ちゃんとホンダの名前で参戦してほしいと思っている筈です。
2026年以降、またこういう姿を見てみたいです。
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Posted at
2022/09/16 10:26:26