
数日前の 何シテル? にも呟いたのですが…
BEVの勢いに陰りが見え始めたこの時期に『BEV推し』のWEB記事がありました。
日本の自動車メーカーは今すぐ「バッテリーEV」にかじを切るべきだ! 業績絶好調&HVシフトの時こそチャンスである
最初にタイトルを見た時は「HVが売れているうちに BEVで先行するライバルをキャッチアップしておくべき」という内容だと思ったのですが、本文を読み進めていくと、BEVの現実に目を背けていたり、そもそもBEVとは関連性の無い 見当違いな話などが展開されていました。
コロナ禍で活動が制限された際、
『世界中に「青い空」が広がった』とか言っちゃってますが、それってBEVとは関係無いよね?
確かにBEVは走行時にCO2を含めた排ガスを排出しないけど、バッテリーに充電する電気を発電する時にCO2を排出するのは誰もが知るところだし、BEV製造時の環境負荷もだいぶ知られる様になりました。(今後、廃車になるBEVが出てきた時には、BEVの廃棄が大問題になるでしょう)
BEVが環境に優しいというのは、欧米が仕掛けたイメージ操作でしかないのです。
”BEVがエコであるか?” という話を抜きにしても、商品としてBEVに魅力があればいいのですが…
一般の消費者へのBEVの普及が進むと、「航続距離が短い」、「充電に時間が掛かる」、「極寒時は使い物にならない」、「重くてタイヤの減りが半端ない」など、様々な「BEVの不都合な真実」が顕在化。
その結果、BEVの販売に勢いがなくなり、フォードやGMがBEVの生産計画を見直し、BEVへの100%移行を宣言していたメルセデスも ここにきてエンジン車の開発継続を発表。
まぁ、BEV購入補助金が無くなったとか、アーリーアダプターに行き渡ったとか、色々な説がありますが、単純に消費者が選ぶだけの魅力がBEVには無かったというだけでしょう。
しかし、記事中にはそんな「BEVの不都合な真実」に目をつぶっています。
「BEVの航続距離が伸びている」とあるが バッテリーを大量に搭載しているだけだし、「充電スポットの増加」も BEVの台数も増えているのだから十分とは言えまい。
昨今、顕在化した BEVのタイヤの減りの件は触れてもいないし。
一時期、「エンジン≒悪」という感じで、BEVに全振りしないトヨタを叩いていた欧米メディアも、段々と「トヨタが正しかった」的な論調が増えてきましたが、この期に及んでも「BEVに舵を切れ!」と言うのは何故?
1つ目は、新技術の
「全固体電池」だそうな。
全固体電池に関してはトヨタがトップランナーであり、既に2027年の商品化をめざしていると発表されているんだが。
2つ目は、
「チャットGPT」に代表される生成AIの急速な進化……
あのぉ、”生成AI” と ”BEV” にどんな関係があるの?
テスラが自動運転用に NVIDIA のGPUを使っていたとか、自前のAIチップを開発したとか、AIに絡んだニュースは多いけど、あれは ”テスラ” もしくは ”イーロン・マスク” のニュースなんだが。
なんか、テスラの動向だけを見て、BEVとAIは切っても切れない関係だと勘違いしてないか?
確かに 100%電動となるBEVなら自動運転の制御もし易いだろうが、エンジン車にだって自動運転技術は導入できるし、それは生成AIも同じ。
もちろん、生成AI技術とは無関係なBEVだってあります。
っていうか、
”音声コマンド機能” をありがたがるユーザー層は それこそ 一部のアーリーアダプターだけだろ。
”BEVはスマートフォンのようなスマートデバイスになり得る可能性” とか言っちゃってるけど、そんなの スマートフォンがあれば済む話じゃん。
まぁ、スマートフォンより安いBEVが出てくれば スマートフォンユーザーを奪えるかもしれんが。(笑)
あ、でも、中国では必須の機能かもな。
中国人ユーザーは、車内のディスプレイの数が多ければ多いだけありがたがるとかで、センターはもちろん、助手席用ディスプレイですら当たり前…
中にはバイザーにモニターを組み込んだ車も…。
久々にツッコミどころ満載な記事でした。
しかし、マーケティングプランナーがこんな記事を書いていていいのかねぇ。
こんな人にプランニング案を提示されても、誰も信じないだろ!?
あ、中国市場向けの製品開発するメーカーは信じてもいいかもな。(笑)
自動車業界は、中国向けの商品開発をしているメーカーが多そうですからねぇ。(爆)
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Posted at
2024/03/04 22:00:13