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2021年07月13日

かつてのホンダ、プロジェクトXに見るホンダスピリッツ

かつてのホンダ、プロジェクトXに見るホンダスピリッツ 昨日、ホンダに関するブログを書きましたが、実は今回のブログの前振りでした。


何か、間に変な話題のブログが混ざっちゃいましたけど……


入院中はひたすらに退屈になるだろうとは思っていたので、その対策として、持ち込んだノートPCに手持ちの「プロジェクトX」のDVDをコピっておきました。


そのリストがこちら。

・47士の闘い 〜夢のエンジン 廃墟からの誕生〜
・運命のZ計画 〜世界一売れたスポーツカー伝説〜
・日本初のマイカー てんとう虫 町をゆく
・制覇せよ 世界最高峰レース 〜マン島・オートバイにかけた若者たち〜
・世界を驚かせた一台の車 〜名社長と闘った若手社員たち〜
・不屈の町工場 走れ 魂のバイク


どれが何の話だか分かりますか?


正解は、以下の通りです。

・ロータリーエンジン(マツダ)
・フェアレディZ(S30)
・スバル360
・マン島TTレース(ホンダ)
・初代シビック(CVCCエンジン、マスキー法を初めてクリアした車)
・ヨシムラ(POP吉村、鈴鹿8耐)


まあ、あまりに暇なので、手術の翌日には全部見終わっちゃいましたけどね。(汗)


それでも、NHKが映らないテレビで民放のワイドショーなんぞ見たくないので、この入院中に何周目かの「プロジェクトX」視聴となっておりました。


いずれもお気に入りの話であり、どれもが感動的な話なのですが、その中でもやはり凄いと思ってしまうのは、ホンダに関する2つの話です。(ヨシムラ編でもホンダがだいぶ関わっていますけど…)


なお、ネット環境がプアなので、本日のブログは写真無しの、文字だけのブログになります。(←退院後に、写真を追加しました)





まず、マン島TTレース挑戦の話。


社長の本田宗一郎は、世界一を目指して、当時の世界最高峰レースであるマン島TTレースへの挑戦を宣言するのですが、当時のホンダは町工場からスタートしたばかりの、国内約200社あったオートバイメーカーの中の一社に過ぎませんでした。


エンジン開発を任されたのは何と新入社員だったと言うのですから驚きです。


試作したエンジンを試験したところ、計測された馬力は“ゼロ”。


当時のプロジェクトのリーダー曰く、「十両の下の幕下力士が、横綱、大関に挑む様なものだ」と言っていました。


この状態の会社が、その後「世界のホンダ」になるんですからねぇ。


ここで、今回のゲスト 元プロジェクト・リーダーで設計課長だった河島喜好さんと 元エンジン設計担当の久米是志さん登場……って、ホンダの歴代社長じゃないですかっ!(驚)


河島さん(二代目社長)は、ホンダ初の大卒社員だったそうですね。(ホンダのHPより)




久米さん(三代目社長)は、何と言っても水冷vs空冷で社長である本田宗一郎と喧嘩して、一ヶ月間出社拒否した一件が有名です。






しかし、マン島レース挑戦時はお二人とも若く、会社的にも技術的蓄積も無い状態でした。


世界に打って出るどころか、国内レースでもヤマハに敵いません。


まあ、乗車するライダーもホンダの社員だったと言うのですから、ホントにこじんまりとしたチームでした。(この辺は、ヨシムラの話と被るところがありました)


しかし、ホンダは、まだ世界中のライバルメーカーが採用していなかった4バルブを採用してエンジン出力をアップさせ、 1959年 遂にマン島レースに挑戦します。



番組的には、レース直前に事故で亡くなったライダーに焦点を当てていましたが、こちらは是非、DVDを購入して見てください。(これはこれで感動的です)





挑戦初年度は、エンジン出力では欧州のトップチームに近づいたものの、車体側は追い付いていませんでした。


トップに離されながらも、何とか入賞(6位)を果たし、会社(総務)から電報が届きます。


「入賞おめでとう、お陰で株価が上がった」


しかし、河島さんはこれに反発「俺たちは株価を上げるために仕事している訳じゃない!」


いやー、この辺がホンダスピリッツですねー。


その僅か2年後、ホンダは125cc/250cc両クラスで 1〜5位を独占したのです。










続いて、シビック CVCC開発物語。




4輪車販売にも進出していたホンダでしたが、大ヒットした軽自動車 N360に乗るドライバーが運転中の事故で死亡した事に関して、遺族がクルマに欠陥があったとして社長の本田宗一郎を殺人罪で告訴。


番組中では、「バイクの会社に、車は無理だ」と言われたと(田口トモロヲ)が言っていましたが、実際には強制空冷エンジンを採用したホンダ1300の失敗も重なって、本当に4輪撤退が現実味を帯びていたのです。


しかし、その頃の自動車業界で大問題となっていたのは環境問題、排ガス対策でした。


1970年、上院議員のエドモンド・S・マスキー氏が、従来の大気清浄法を大幅に修正した1970年大気清浄法(通称、マスキー法)案を議会に提出。


マスキー法に関しては、当時の米ビッグ3が「達成は不可能」と言うほどのものでした。


その頃、ホンダでは排ガス対策の研究をする「AP研」と言う部署がありました。


商品にならない研究をしている部署として、それまで社内から白い目で見られていた部署は、一転して会社存亡の危機を託されたプロジェクトとなったのです。


本田宗一郎は、「新しい低公害エンジンを開発した」と記者会見で発表します。


しかし、その低公害エンジンは、まだ基本設計さえ出来ていなかったのです。





この、低公害エンジンの開発プロジェクトのリーダーに指名されたのが、前出の久米是志さんでした。


久米さんは、浜松の旅館に若手のリーダーを集め、ミーティングを実施。(ニ晩徹夜だったそうです)


これは、社長に引っ掻き回されない様に、わざわざ本社から離れた場所に集まったとの事でした。


その時に書き出された物か、再現した物かは分かりませんが、書き出されたメンバーの名前には「川本」の名前もありました。(4代目社長の川本信彦さんですかねー)







この時期、社長の本田宗一郎は「これはビッグ3と並ぶ千載一遇のチャンスだ!」と、社員に発破を掛けていました。


しかし、若手社員はその言葉に疑問を感じ始めます。


「いつもは、ホンダという会社は『会社の為ではなく、自分のために働け』とか『お客様の為に働け』、『社会の為に働け』と言っているのに、『これはホンダにとってチャンスだ』って言うのはいつも言っていることと違うじゃないか!」


その頃は専務になっていた河島さんが、この若手の声を社長に伝えると、本田宗一郎はその日を境に開発プロジェクトから足を遠ざけたのでした。





本田宗一郎の会見から僅か9ヶ月後、米EPAのテスト場に持ち込まれた、CVCCエンジンを搭載したシビックが、世界で初めてマスキー法をクリアしたのでした。


その後、マスキー法は達成不可能と口にしていたビッグ3でしたが、フォードやクライスラーがホンダに技術供与を求めてきたのです。





このCVCCエンジンの成功の8ヶ月後、本田宗一郎は社長の座を降ります。


若い社員が育っている事を感じ、若い人に会社を任せようと言うものでした。








本田宗一郎に関するエピソードは、それこそいくらでもあるのですが、ホンダと本田宗一郎の凄いところは、そんな社長に堂々と反対意見を言う社員がいた事、そして本田宗一郎自身が、それを素晴らしい事だと考えていた事だと思います。


何しろ、社長と喧嘩して1ヶ月出社しなかった男が社長になっているのですから。


そんな、常識の範囲で収まらないエネルギッシュな会社だったホンダ。


今のホンダ社員には、是非このDVDを見て欲しいと思います。(いや、見なきゃいけないのは社員じゃなくて経営陣の方かな?)
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Posted at 2021/07/13 19:59:59

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