今日のブログは、ちょっと変化球で行きます。
トヨタの車って、少し前までは“つまらない車”というのが、車好きの間での評価でした。
もちろん、AE86の様に車好きに支持された車も無い訳ではありませんが、誤解を恐れずに言えば AE86は旧世代(TE71)のシャーシを使い回して作った車です。
結果的に、最後のコンパクトFRスポーツになったけど、技術者の思いが詰まった車っていう訳ではないんですよね……
まぁ、国産メーカーの中で 一番コストにシビアな会社でしょうから、走り屋御用達の車が生まれるのは難しいところでは有ります。
しかし、そんなトヨタからも“変態車”は登場するのです。
まさか、トヨタから『国産車初のミッドシップ・スポーツカー』が登場するとは思ってもいませんでしたね。
MR2(AW11)
何しろ、ミッドシップカーなんてレーシングカー以外は フェラーリやランボルギーニといったスーパースポーツくらいだったのですから、まさかトヨタが出すなんて…
しかし、初代MR2(AW11)は、カローラの横置きFF車のコンポーネントをそのまま後輪に持っていくだけで実現できるので、実は意外とリーズナブルに実現できているのですよね。
FF車は今でもトヨタのラインナップにたくさんあるので、今でも作ろうと思えば作れると思うのですがね。
MR2は走り屋が喜ぶ“変態車”ですが、コンセプト自体が“変態”なのがこちら。
カリーナED
4ドアでありながら、極限まで低いスタイリッシュな車が カリーナEDです。
当時、徳大寺有恒氏が「背の低い(≒狭い)セダンなど有り得ない」と酷評しておりました。
曰く「メルツェデスやBMWは、こんなバカなコンセプトの車は作らない」と言っていましたが……今やドイツ車は、メルセデスのCLSや AMG GT4ドア、BMWのグランクーペ、アウディA5/A7スポーツバックといった低全高の4ドアクーペが花盛り。
徳さん、これらの車たちを見たら、何と言ったでしょうね?
4ドアクーペの元祖とも言うべき車、それがカリーナEDです。
変わったコンセプトという意味では、Be-1やパオ、フィガロといった日産のパイクカーが人気になった時期がありました。
この、パイクカーのトヨタ版とも言うべき車が こちら。
セラ
セラのハイライトは、何と言ってもガルウイングドアですね。
このガルウイングドアを実現させるにあたり、トヨタは“トヨタ基準”を守り、さらには限定生産とはせず、注文すれば買える カタログモデルとして登場しました。
いかにも、真面目なトヨタが作った“パイクカー”でした。
ただ、これは失敗だったのかもしれません。
変わった車というのは、希少価値に意味が有るのです。
日産のパイクカーの様に、限定生産なら先を争って買い求めたかもしれませんが、カタログモデルでいつでも買えるとなれば、購入意欲も湧かなったのでは?
セラは5年間で約15,000台、日産のパオは1年間で約30,000台、どっちが限定生産だったんだか……。
また、ガルウイングの開閉などの使い勝手も、しっかりとトヨタ基準を満たしているのですが……この手の車に求めているのは 使い勝手じゃないと思うのですがねぇ。(まぁ、良いにこしたことは無いですけどね)
さて、セラの様な変わったコンセプト作りで車をラインナップしたのが
WiLLでした。
WiLL Vi
かぼちゃの馬車を連想させる
WiLL Vi 。
セラの失敗で学習したのか、WiLLでは 使い勝手よりもスタイリングを優先させています。
WiLL VS
WiLL サイファ
いずれの車も、スタイリングはかなりぶっ飛んだデザインですが、動力性能は大した事はありません。
やはり、トヨタには クルマ好きに響く車を作るのは無理なのでしょうか?
まぁ GRヤリスは かなり頑張った車だと思いますが。(笑)
真面目なトヨタが作った、変態車の話でした。
Posted at 2021/11/20 01:56:03 | |
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